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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第16章

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874 牛の生産地 下

 なんやかんやで料理は完成した。


 とは言え、さすがにすべてを平らげられる胃の持ち主はいない。貴族って、お腹一杯まで食べないのよ。太っちゃうからね。


 完成した一人分の料理を少なく食べれるように小皿に盛る。盛りつけも料理人のセンスであり、技術となる。


「見事なものね。盛りつけが綺麗だわ」


「目で楽しむ。盛りつけはその一つですね」


 美味しそうに見せる。楽しむ食事となるためにね。


 台車に乗せ、ルーセル様の部屋に向かった。


「お待たせしました」


 お妃様を食事に誘う場所ではないけど、公式の場でないならオールオッケー。テーブルに料理を並べた。


「ハンバーグは食べたことあるけど、まだこんなハンバーグがあったのね」


「思いの外、厨房が充実しておりましたから煮込みにしてみました。是非とも我が家に欲しいものばかりです。使い方のわからない調理器具もたくさんありました」


「そうなのね。この部屋にも見知らぬ魔道具で溢れていたわ」


「恐縮です」


 侍女に代わり、わたしも席に着いた。


「チェレミー嬢は本当に綺麗な顔立ちね」


 食事なのでベールを取り、狐面に代えたらお妃様にそんなことを言われた。


「チェレミー様の顔立ちはゴズメ王国ではとても好まれておりました。騎士の間で理想の姫だと、とても人気でしたわ」


 エルフは貧乳派。大きいおっぱいは好まれないだけよ。


「そう言えば、ルティンラル騎士団からも好かれていたわね」


「チェレミー様は先陣に立って恐れることなく渦に立ち向かっていきました。チェレミー様の働きなければゴズメ王国は甚大な被害が出ていたでしょう。もしかしたら滅びていたかもしれません。勝利の女神として騎士たちには讃えられておりますわ」


 わたしはおっぱいのためならどんな戦場にも立ってみせる。この世のおっぱいはわたしのためにあるのだからね。


「チェレミー嬢は、勇敢なのね」


「コルディーとの友好のために行ったこと。打算ですわ。さあ、料理が冷めないうちにいただきましょうか」


 まずは煮込みハンバーグにフォークを刺して口に運んだ。


 おー。懐かしい味がする。肉がいいし、ソースもいい。ファミレスで食べた記憶が蘇るわ。


「とても美味しいハンバーグです。不思議と懐かしさを感じます」


「それは嬉しいわ。煮込みハンバーグはジーヌ家では家の味とされているのよ」


 お袋の味、ってことかな? そんな味があって羨ましいわ。


「これから先もこの味が受け継がれることを願います。百年後も、その先も。この味はきっと財産となるでしょう」


 わたしもハンバーグを作ってみたくなったわ。あー美味しい。

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