表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第16章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

860/1184

856 売国奴 下

「頭を上げなさい。それではわたしが愚昧と言っているようなもよ」


「それでお叱りを受けるなら本望。どんな罰でも喜んでお受け致します」


 頭は上げない。切なる願いだから。


「……わかったわ。あなたの進言、ありがたく受け取るわ。だから頭を上げて立ちなさい」


 それで頭を上げ、ゆっくりと立ち上がった。


「ありがとうございます」


「お礼を言うのはこちらのほうよ。あなたの進言、心に刻んでおくわ」


 黙って恭しく一礼する。


「まったく、あなたの進言は脅しと変わらないわよ」


「どうするかはお妃様の判断であり決断。臣としては従います」


「ウソおっしゃい。あなたならわたしでも切り捨てるでしょう。あなたの上にはコルディーしかないのでしょうからね」


「王国あってこその我々でございます。派閥争い大いに結構。強権大いに結構。権謀術数も大いに結構。大国であるコルディーを纏めるのは至難でございます。血だけで上に立たれたら下の者は堪ったものではありません。忠誠はそれに見合った方に向けられるものです」


 わたしは国王制を否定したりはしない。けど、腐敗されては困る。責任を放棄されては困る。その地位についたのなら上に立つ力を示してもらわねば困るのだ。それが嫌ならさっさと退いてください、だ。


「小娘が生意気なことをとお叱りを受けるでしょうとも、わたしはお妃様を認めております。今のコルディーには必要なお方だと見ております。そのお力の一つとなれればとも思っております」


 わたしが王妃になれるわけがないのだから力を貸すしかない。どうせ貸すなら優れた方に貸したいと思うのが人情ってものよ。


「……あなたに呆れられないように心がけるわ」


「わたしもお妃様に恥じぬ臣となることを努力致します」


 右手を胸に当てて深々と頭を下げた。


「では、失礼します」


 と、振り返ろうとして立ち止まる。忘れたわ。


「あ、もう一つ。お酒の管理はしっかりとお願いします。夜な夜な忍び込む狐がいるかもしれませんので」


 ないとは思いたいけど、そこをやるのが酒カスだ。お妃様の部屋に忍び込んだとか、わたしの監督不行き届きとかにされたら堪ったものじゃないわよ。


「狐? え、ええ、わかったわ。注意するように言っておきましょう」


 これでわたしの責任ではなくなった。まあ、見張る者には申し訳ないけどね。責任回避はちゃんとやっておかないとね。


「では、失礼致します」


 優雅に一礼して離れへと向かった。さあ、ルーセル様と一緒にお風呂に入りましょうっと。ゲヘヘ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ