737 先祖返り? 上
「ロッカルをお願いします」
「ああ。十六までにしっかり育てておこう」
話も纏まり、ルゼット様も未来を見据えて動く決心をしたので領地へ帰って行った。
「六年後、か。年上女房になっちゃうわね」
そのときわたしは二十一歳を過ぎているのね。
この時代ではかなりレアなケースよね。貴族ならとっくに結婚して子供を産んでいる。
もちろん、例外はある。けど、伯爵家の娘で結婚もしてないって、かなり恥とされるでしょう。表に出ることはないわ。
「お前は六年後も同じ姿をしているから問題ないだろう」
「気にしていることを言わないでください」
嫌だわ。二十一歳にもなってこのままなんて。完全にロリババアの道を進んでいるじゃない。わたし、なんの呪いを受けてんのよ?
「ゴズメ王国ならモテモテだぞ」
妖精がモテモテとか言うなや。俗物が。
「異種族間恋愛はまだ早いですよ」
わたしのおっぱいラブは種族間を超えているけどね。まあ、さすがに動物のおっぱいにはときめかないわよ。
「昔は人と結ばれた話はあるぞ」
「タルル様の昔は神話の時代でしょう。というか、人間とエルフって子が授かるものなのですか?」
「授かるぞ。まあ、どちらの血が濃いかによって変わってくるがな。お前にもエルフの血が流れているのではないか? その見た目が変わらぬのも不自然だしな」
その線は考えたことはある。
ただ、それだとカルディム家に話が残っているはず。家系図は残すものだからね。
……まあ、改変することもたまにあるけどね……。
「それってわかるものなのですか?」
「お前は天能があるからな。それでなくとも異能すぎてよくわからん」
天能じゃなければわかるってことか? ただ、わたしが異能ってこと?
「もしかして、お妃様はわたしにエルフの血が混ざっているか疑っていましたか?」
「じゃないか? 口にはしてなかったがな」
完全な他種族よりはエルフの血が混ざっていたほうがいい、っことかしら? わたしは子供を産むつもりはないのに。
「まあ、お前にどんな血が混ざっていようと構わんさ。お前は心が異質だからな」
「異質、ですか」
「まさか自分は普通ですとか吐かすなよ。お前は異質だ。異質すぎて逆におもしろい。国にいるよりお前を見ていたいと思うくらいにな」
「貴女、守護聖獣なのを忘れていませんか?」
「お前はもう守護聖獣が国を守る時代は終わったと感じておるのだろう。わたしも百年前から思っていたよ。だからわたしは自由にしているのだ。名さえ残っていれば王国はなんも言わんからな」
どこの国も同じか。まあ、守護聖獣としてはちょうどいいでしょうよ。それを面倒みなくちゃならないわたしは大変だけど!




