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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第14章

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719 ダイジョーブ 下

「とにかく一から、わかるように二度話せ」


 いや、なんで二度? 大事なことからか? そう難しいこと言ってないよね? まあ、理解してくれるのなら何度でも話すけどさ。


 本当に二度も話させやがり、やっと理解……したかわからない顔をしていた。考えるの拒否している?


「お前、なに言ってんの?」


 うん。わかってくれてなかったようだ。


「わたし、婿を取る。よろしい?」


 もう簡単に説明した。


「いや、よくないわ! 兄上は知っているのか?」


 なんだ、簡単な説明でわかってくれたんじゃない。この一時間の説明はなんだったのよ?


「お父様は知りませんし、マルビオ家からお話ししてもらいます」


 ロッカルはマルビオ家の養子となる。なら、あちらから声をかけないと辻褄が合わなくなるでしょう。先に知っていたら失礼にもなるからね。


「そもそもマルビオ家がこの話に乗るのか? マルビオ家になんの得がある?」


「カルディム家と縁戚関係を結べます。メイベルだけでは関係が薄すぎますからね」


 あちらは本当に先を見る目と計算する能力が高い。わたしを味方する利を見抜いているんだから。


「……お前は、マルビオ家すら手玉に取るのだな……」


「マルビオ家は貴族らしい貴族ですからね。貴族らしからぬ考えはできません。貴族らしい利を見せたら断るなんてことできませんよ」


 貴族の中の貴族だからこそ、考えも行動もわかりやすいと言えるわ。


「……お前のそういうところが恐ろしいよ……」


「そうですか。わたしは貴族らしい行動をしているだけですけどね」


 顔に火傷を負わせてなに言ってんだって方もいるでしょう。


 でも、わたしは貴族である前におっぱい星人である。おっぱいのために生き、おっぱいのために存在し、おっぱいを頂点にしている。


 イエス、おっぱい! ハイル、オッパイ! おっぱいに栄光あれ! な存在である。貴族などおっぱいのためにある手段でしかないわ。


「貴族らしい貴族など今の世にそうはいないわ。家を残すのに必死なだけの生き物だ」


「叔父様の貴族らしからぬ考えもわたしは好きですよ。人らしい考えですからね。ただ、愛人の二人や三人、作って欲しかったです。一族は多いほうがたくさんの選択肢を得られますからね」


「わたしは、愛人など作る気はない」


「もう諦めていますよ。ナジェスに期待します」


 叔父様の考えを変えるのに時間を使うよりナジェスを教育したほうが早いわ。


「ナジェスを不幸にしないでくれよ」


「不幸になどしませんよ。貴族らしい貴族の考えができるように育て、人らしい幸せを築かせてあげます。ナジェスはわたしの可愛い従弟なのですからね」


 わたしだって人らしい考えができる人間ですからね。

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