707 おっぱいだけ愛せないわけではない 下
ルーセル様はびっくり顔を見せた。
「表情豊かなのがルーセル様の魅力です。でも、出してはいけない場面や相手がいると学ぶべきです。付け込まれたり侮られたりしますからね」
「……よく注意されます……」
この方は愛されキャラだ。でも、愛される者が生き抜くには理解者が必要だ。周りを固めなければその力は発揮されないのよ。
「その心は大切です。でも、ルーセル様は王族。王族に自分を優遇されることはありません。優遇させたいのならそれだけの力を持つしかありません」
我が儘を通したいならそれに見合う結果や働きを見せなければ周りは納得しないわ。
「大丈夫ですよ。わたしがルーセル様に我が儘を通せるだけの力を身につけさせてあげますから」
一国の王女を味方につけられる。これに勝る力はないわ。
「いいですか、ルーセル様。わたしたちは姉妹の絆を結びました。でも、一方的な思いの押しつけをする必要はありません。わたしはルーセル様を利用しています。だから、ルーセル様もわたしを利用してください。わたしは喜んで利用されますから」
にっこりと笑ってみせた。
「……チェレミー様を利用するだなんて……」
「そういう優しさはルーセル様の美徳です。ずっと持ってていただきたいですわ」
その優しさを壊さないように賢く生きられるように育てないとダメよね。
なかなか難しいけど、手がないわけではない。ルーセル様の味方を作ってやればいいだけ。将来、ルーセル様の重鎮としてミューズ男爵を選んだ。
ゴズメ王国の商人たちもわたしと繋がるためにルーセル様を立てるしかない。状況は少しずつ築かれているわ。ウフフ。
「姉様。話が終わりました。姉様とルーセル様は宿泊所でお休みください」
周辺村には宿泊できる家がある。村から歓迎されてお酒を飲むときがあるから宿泊所が造られているそうよ。
「ありがとう。では、ルーセル様。行きましょうか」
ナジェスに仕切らせているのでわたしたちはそれに従う。
「案外、揃っているのね」
寝泊まりできるところだからベッドぐらいかと思ったら一軒家だった。
部屋数もあり、女性陣すべてが泊まれる感じだわ。
「チェレミー様。少し掃除をしたいのですが、よろしいでしょうか?」
料理メイドながらオールラウンダーなルミーラ。ゴズメ王国にも連れて行ったのでさらにスキルは上昇している。
「わかった。ルーセル様。少し村を回りましょうか」
ルミーラが許せないのなら素直に従うのみ。配下の言葉を聞き入れるのも主の役目でもあるからね。
村長の奥様に連絡してもらい、案内役をお願いして村を見て回った。




