1176 人心掌握 上
組織創りというのも面倒なものよね。
コルエン様が地下にハー──ゴホン。表面的にも道徳を守ってくれるのなら裏でなにをしてくれても構わない。酒池肉林に走り、教会をダメにするようなことはないからね。
……わたしは誰に気兼ねすることなくおっぱいに走りたいわ……。
一応、コルエン様は事務方トップの教司。ミシエリル様は、聖女を支える教司。ツートップ体制にして教会の秩序を保つって体を見せる必要がある。
まずコルディーに逆らったり、独裁にならいようにしないと警戒されてしまう。いや、警戒はされるだろうけど、敵対と見られては困る。コルディーを二分するように見られたらそれは隙となる。国王の下に教会があると見せつけねばならないのよ。
面倒ながら教会としての人の配置はできたと思う。来年に行われる聖女誕生祭を目指しながら各自の仕事を把握して行く。それしかないでしょうよ。
「馬車を出してちょうだい。湖に向かうわ」
ラグラナにお願いする。
用意が整ったとの報告に玄関へ向かうと、アルバン様がいた。どうなさいました?
「わたしも湖を一度見ておこうと思ってな」
ジーヌ公爵領に来る途中で見たはずだけど、そこは突っ込まないでおく。王都に帰ればまた多忙な日が続くのでしょうからね。
「では、一緒に参りましょうか」
馬車に乗り湖へ走らせた。
「チェレミー嬢はなぜ湖に?」
「職人に会いにです。教会には礼拝堂や建物が必要になりますからね。職人たちに依頼をお願いしようかと思いまして」
「呼べはいいのでは?」
「職人たちには気持ちよく働いてもらいたいですからね。わたしが行くことでそれが叶うなら安いものです。命令すれば人は動くでしょう。ただ、そこに気持ちが籠るかは別問題。忠誠は勝手に沸いて来るものではありませんからね」
また夏に湖に来たい。おっぱいを眺めたい。弾むおっぱいが見たい。そのためには観光地化する必要がある。教会を造りながらプライベートビーチも整備する。このときを逃す手はないわ。
「伯爵令嬢という地位は結構融通が利くものです。上から見ればそう高い地位ではなく、下から見たらそう雲の上の存在でもない。いい感じの地位である。職人たちも伯爵令嬢に声をかけられれば悪い気はしないでしょう。アルバン様もやっているのではありませんか? 役人相手に?」
宰相の懐刀ともなれば下への配慮も必要となる。人心掌握にも重きを置かなければならない。声かけは絶対やっているはずだ。
「そうだな。伯爵令嬢が知る処世術でもないがな」
「何事にも例外はあるものですわ」
ウフフと笑って見せた。




