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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第20章

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1172 法 上

 脳ミソが一つ増えるとやれることが多くなり、ペンを走らせる手が早くなった。


「教会法はこれでよいでしょうか?」

 

 法律は専門外なのでコルエン様に任せたら、なかなか立派なものを創ってくれた。


「どこの法律を雛型にしたのですか?」


「教会法と王国法を足しました」


 へー。教会に法なんてあったのね。創ろうとしておいてなんなんだけどさ。


 王国の法が上にあり、教会はその法を守りながら教会独自の法を設ける。そうしないとコルディーを敵に回すし、教会の秩序を守ることができない。しっかりしていてがんじがらめなはせず、国王陛下の認をいただく。なかなか難しいものだわ。


「聖女任命に国王陛下の認はもちろんのこと、守護聖獣様の認もいただけないかしら?」


「できないことはありませんが、厳しいのでは?」


「いいのですよ。守護聖獣様にも責任を持ってもらいたいからね。それに、国王陛下だけでは抑制にはなりません。可能ならもう一方に担って欲しいくらいです」


 三人の許可がなければ聖女と認められない。それが権力の暴走を止められると思うのよね。


「国王陛下と守護聖獣様が齟齬を起こしたらどうするので?」


「そこら辺は裏にいる方々にお任せすればいいのです。それだけの存在なのですから」


 その位置にいるならそれに相応しい責任を果たせ、だ。


「わかりました。追加しておきます」


 ほんと、優秀なお方だ。実務能力が高くて大助かりだわ。


「人事のほうはどうなっておりますか?」


「まずはジーヌ家の方々を配置して、能力がない方は下げて行きます。二、三年は大きな仕事はありませんからね」


 祭事とかはまだなにも決まってないし、年に一回樹祭として、領民を集めてわちゃわちゃさせたらいいわ。宗教は一日にして成らずよ。


 法関係はコルエン様に任せ、わたしは公爵様、そして、アルバン様を交えて人事を決めるとする。


「本当に、我が家から出してよいのか?」


「構いません。特に美味しいこともない、人事を埋めるためのものです。聖女教会として動くのは十年先。もしくは十五年先でしょう。つまり、次の世代です。なので、次期公爵となる方の教育も同時に進めなければいけません」


「……息子にはとんでもないものを残さねばならんのか……」


「なんなら教会のほうは女性の方に任せてもよいかと思いますよ。領地経営と教会運営は別とする。そんな体制でもよいかと思います」


 一人だと負担がかかりすぎるしね。そこは公爵様が船頭を取って決めてくださいませ。わたしは、提案するだけ。決定するのは公爵様でなければいけないのよ。

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