1171 内情 下
アルバン様の許しを得たことで、コルエン様はわたし付きとなり、聖女教会の設立に尽力してもらうとする。
「初代聖女となるラーレシム様と、天上人たるムーンライト様です」
と、その前に、ラーレシム様とムーンライト様を紹介した。
教会では聖女がトップ。教司は事務方のトップで教会のナンバー2だ。それを理解しているようで、コルエン様が二人の前で膝を折って頭を垂れた。
「コルエン・ジースと申します。チェレミー様より教司としてお二方を支えるよう命じられました」
命じたわけじゃないけど、そういう形にしておくとしよう。コルエン様を守るためにもね。階級社会で身分が低いと大変。わたしが命じたと見られるほうが後々楽だわ。
「よ、よろしくお願い致します」
「よろしくね」
「コルエン様は聖女教会の要となるお方。なるべく健康で長生きしてもらわないといけないので、これを中指に嵌めておいてください。ムーンライト様の魔力をいただいて病気に強い体にします。猛毒を飲まされても平気ですし、心臓を刺されても死なないようになるので」
「……それは死ねないと同義では……?」
イヤだわ、ムーンライト様ったら。これはコルエン様を思ってのことですのよ。ウフフ。
「コルエン。辞めたいときはわたしに言いなさいね」
「……そ、そのときはよろしくお願いします……」
「人は長生きすることが幸せなんですよ」
「死ねることもまた人の幸せよ」
数百年数千年生きれる方の言葉は重いわね。無駄に長生きだから無駄に過ごすんでしょうよ。
「まあ、言いたいことはわかりました。コルエン様。楽しい人生にしてあげますね」
「……あ、いや、自分でするのでお構いなく……」
「ふふ。コルエン様は謙虚ですね。わたしに任せてくれてもいいのですよ」
ドンとお任せあれ。男の夢はわかってますって。おっぱいでしょう。おっぱい。おっぱいがあれば男は永久機関のように働くものなんだから。愛人の十人や二十人囲えるくらいの富は与えますって。
「わ、わたしは出世できれば幸せなので。他は特に望みません。まあ、酒などをいただければありがたいです」
「それなら教会の奥にお酒が飲める部屋を用意しますわね。ゆっくり飲めるように」
愛人を囲めるところを。ラーレシム様の教育に悪いから密かにやってくださいね。あと、わたしも呼んでいただければ嬉しいです。友よ、一緒におっぱいを愛でようじゃないか。
「悪い笑みを浮かべているわよ」
おっと。ラーレシム様の教育によくないわね。スマイルスマイルっと。ニチャァ~。




