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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第19章

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1099 獣姫《ケモノヒメ》 下

 もし、これがRPGだったら。


 四天王も親衛隊も出て来ない。ただ、骸骨兵が数で押し切ろうとするだけのクソゲーだったでしょうね。


 しかし、乙女ゲームと考えたらイベントの一種でしかなく、恋愛を目的にした内容なら戦闘シーンなんて省略化されて当然でしょうよ。


 と、乙女ゲームなんぞ知らない元男の推測でございます。


 バカと煙は高いところが好き、みたいなことを聞くので城の上を目指す。


 相変わらず骸骨兵が涌き出ているけど、なんか弱くなっているような気がする。出がらしか?


「光の魔法で明るくしなさい」


 騎士様方に命令する。獣姫ケモノヒメは守護聖獣だと思わせるためにだ。


「はっ! 光を放て!」


 騎士様方がグリムワールを振るって周囲を照らし始めた。


 さすが反属性。周辺に漂う靄のようなものが浄化(中和か?)されていっている。


 と、どこからか黒い靄がわたしに流れて来て包み込まれてしまった。


「なにかしら?」


 手で払ってみるけど、まったく意味はなかった。


「攻撃ではないか?」


「これが?」


 なんの意味があるのかしら? 目眩ましにしては薄いけど。


「鬱陶しいわね」


 胸の谷間からいつも使っているグリムワールを抜いた。


「ここって本当に収納力があるんだ」


 マジびっくりよね。いや、入れたのわたしだけど。


「挟まりすぎて常識を違えたか?」


 確かにラグラナの胸に挟まれて思いついた肉体変化だけど。


「邪魔」


 グリムワールを振って黒い靄を吸い取り、錬金の壺に入れて魔力化してやった。ごちそうさまでした。


「なんだったのかしら?」


「もしかすると、呪霊だったかもな」


「呪霊?」


 レイスとかゴーストみたいな感じか?


「ああ。人の怨念が具現化したものだ。たまに森で見たことがある。強くなると祟り獣となることもある」


「基本原理は渦みたいね」


「そうだな。それ故に厄介だ。まあ、それをゴミでも払うように消したヤツが一番理不尽だがな」


 厄介がなぜ理不尽に置き換わるのよ? 厄介だって話だったでしょうが。


「奥の手はあれだけだったのかしら?」


 もっとこう、映えるように現れて欲しかったわ。観ている人のことも考えて欲しいわ。


 それから呪霊が現れることもなく、立ちはだかる骸骨兵は騎士様方に薙ぎ払われている。


 そして、やって来た場所は謁見の場みたいなところ。奥の玉座にはおっぱいが──ではなく、準備はできてる~とか歌いそうな女性が座っていた。

 

「初めまして。わたしは獣の姫。この地を守護する者。あなたは、クレヌーの女王で?」


「そうだ。我が主である」


 答えたのは骸骨マンだった。

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― 新着の感想 ―
>あなたは、クレヌーの女王で?」 >「そうだ。我が主である」 >答えたのは骸骨マンだった。  つまり骸骨マンじゃなくて、骸骨レディじゃないか!
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