1100 クレヌーの女王 上
「勝負は決した。これ以上の抵抗は止めるがよい。妾からの最後の慈悲だ」
まだ奥の手があるなら別だけど、魔力無限のチート状態のわたしに勝てる奥の手があるなら是非とも見せて欲しいものだ。
これ以上、映えがないとメイベルにフィクションを追加してもらわないといけなくなるわ。わたしとしてはあまりお伽噺寄りにしたくないんだけどな~。
「……また、負けるのか……」
「ああ、そうだ。手段と段取りを間違える者は、何度事を起こしても負けるものだ。お前が失敗することは最初から決まっていたのだ」
あぁ、無情也《お疲れ様》。またの挑戦をお待ちしておりません。
「…………」
スカルフェイスなのに、悔しがっているのがわかった。
そりゃそうでしょう。これだけのことをするのだ、憎しみは想像を絶するものでしょう。負けろ認めろと言って素直に従うわけもないわ。
「では、お前と妾で勝負をしようか。お前が勝つのなら好きにするがよい。妾が勝ったら好きにする。単純だろう?」
「…………」
「これでもダメか? なら、これをやろう」
魔王様からもらった宝珠を出した。
「クレヌーの女王に魂が残っているのならこれを使って授肉ができる。記憶も力も生前のものとなるだろう。なんならお前も授肉してやろうか? もちろん、我王国に敵対することを止めることが条件だがな」
「……本当か……?」
その疑問に宝珠を骸骨マンに放り投げた。
「授肉するまで半日もかからん。その間にお前が守り切れ。妾がお前を滅する前にな。これなら限界を超えよう?」
映えがないのならわたしが作るしかない。このままでは盛り上がらんでしょうに。
「ほら、やれ。授肉しろと命令すれば動き出す。クレヌーの女王を救いたいのだろう? それとも妾らに成敗されたいか? 妾はそれでも構わぬぞ」
「……どっちが悪党かわからんな……」
問答無用で侵略者が悪だ。コルディーの体制を破壊しようとする者が悪だ。おっぱいは正義だ。簡単な三段論法である。
「コルディーに敵対する者は何人たりとも許さぬ。死だ。それしか許されぬ。しかし、王国の信念を敵に知らしめることもまた必要。戦う相手の実力を知らねば第二第三の痴れ者が集まって来るからだ。お前にはその見せしめとなってもらう」
慈愛だけでは我は通せない。強さだけでも我は通せない。故に、手段が必要であり段取りが必要なのだ。
「さあ、お前の我を示してみせろ。その思いはなにをも凌駕するものと証明してみせろ。妾の爪と牙を砕いてみせろ。男を魅せろ。クレヌーの騎士よ!」




