1091 これはフィクションです 下
さて。次は衣装合わせね。
天幕に集まるラーレシム様、妃候補者たちに種類の違う聖衣を着させた。
やはり個性を出すためには違うデザインにしなくちゃいけないでしょう。あ、玩具展開しようかしら? 女の子に人気が出るんじゃないかしら? まだ魔法少女──と言うには厳しいか。ここでは成人になりそうな年齢だしね。魔法少女はラーレシム様までが限界か。
ちなみにわたしが魔法少女になるつもりはないわよ。この物語にわたしは参加してないからね。
「とても不思議な意匠ですね」
「わたしの服飾メイドが考えました。わたしの着ている聖衣も服飾メイドが考えたものですわ」
まあ、最初の発案はわたしだけど、形にしたのは服飾メイドたち。今ではデザインにも力を入れてくれているわ。
……完成までに何徹したのやら。ご苦労様です……。
「その聖衣には魔力を増幅させる付与が施され、守護聖獣様のご加護も追加されております」
まあ、服飾部はコノメノウ様の魔力で立ち上げたもの。なんかご加護みたいなものが欠片レベルで入ってんじゃね? 知らんけど。
「杖は、騎士様方の防御を補助します。魔力を注いでください」
妃候補者たちが騎士様方を支援した、って体を見せるためにね。映えは大切なんですよ。
「ラーレシム様は桟橋に立って、月の姫様の声を聞くのに集中してください。お城に満ちた魔力を消費させれば月の姫様も声が届くでしょう。その声の大きさで敵の消耗度がわかりますから」
真の主役はラーレシム様。本来なら秘密にするべきでしょうけど、秘密にしたことで敵視されるならより目立たせて、手を出せないようにする。出る杭は打たれるけど、出すぎた杭は打たれない理論だ。
まあ、ラーレシム様の立場が上がってしまう問題が出てしまうけど、そこは妃候補者たちが後ろ盾となればいい。妃候補者もラーレシム様という後ろ盾ができることにもなる。あとは調整すればいいわ。
……わたしの仕事が爆上がりだけどね……!
「ラーレシム様はわたしが守ります。全身全霊、この身を捧げても。だから恐れる心配はありません。堂々としていてください」
わたしが前に出ない理由となるからね。
「はい、お姉様!」
う、うーん。なんか調子が狂うわよね。わたしは百合百合しい百合に興味はない。おっぱいが並んでいたら断然興味はあるんだけどね!
とりあえず笑顔でラーレシム様を抱き締めた。背、同じくらいなんで、頭を撫でるとかできないんっすよ。
安心させたら外に出て、妃候補者たちを守る魔法陣と、宝珠を空中に浮かべた。
「タリール様、シューティングスター。そろそろ出番よ」
さあ、物語を始めましょうか。




