1085 先んずれば人を制す 下
「……頭が痛くて堪らんよ……」
頭を抱えるタルル様。人に関わるということは苦悩するということ。自業自得ですよ。
……まあ、わたしもおっぱいを愛しすぎて苦労している口だけどね……。
苦い苦いコーヒーを飲んで、気持ちを切り替えた。
「準備は整った、か」
ここまで来るのに何日かかったかしら? これが終われば休暇も終わりか。まったく休めなかったわ。これなら王都にいたほうが休めた気がするわ。
「お風呂入りたい」
戦いが始まる前に熱い湯に入って落ち着きたいわ。
「タルル様。展望台に飛んでもらえます? お風呂に入りながらアイスが食べたいです」
「何味だ?」
もうアイスくらいじゃ動いてくれないか。贅沢になりやがって。
「うーん。アイスじゃなくシャーベットにしますか。果物の甘さが欲しいので」
いろいろなシャーベットを入れてラムネで割る。なんかそんな風にして飲んだ記憶がある。
「ナディアとラグラナを連れて行きましょうか。大人数で行くと騒がしくなりますからね」
「お前が消えただけで大騒ぎになるわ」
それもそうね。今も騎士様が護衛に立っていてくれるからね。
騎士様に話を通し、ラインフォード様まで上がるのに一分もかからない。すぐに護衛騎士隊を組んでくれて馬車で向かった。
そんなにいらんがな! って人数で展望台へと向かい、お風呂の用意をした。
「ここらもお城が見えるのね」
真っ正面じゃないけど、端のほうに見えている。
「骸骨が動いているのも見えますね」
わたしはその重力に引っ張られるおっぱいしか見えてないわ。屈むとそんなに垂れるものなのね。下から眺めてみたいです。
縁に顔を乗せていたらラグラナに抱えられておっぱいクッションに横にさせられた。別に舐めようとしていたわけじゃないからね!
「ラグラナの胸はわたしの頭を挟むためにあるみたいね」
まだ顔をどちらに向けるかの答えが出てない。悩ましいわ……。
「お嬢様は、疲れているときは体の力がなくなりますね」
「そう? 知らなかったわ」
わたしとしてはこの幸せを全身全霊で受け止めているだけなんだけどね。いつか答えが出たら次はおっぱいに顔を埋めたいわ。
「大丈夫なんですか? お嬢様のことだから考えはあるのでしょうけど……」
まあ、あれを見て安心できる者は少ないか。侍女たちを下がらしてよかったわ。
「あれはなんら問題ないわ。ゴズメ王国での渦より簡単よ」
苦労したのはこちらだけどね。
「ただ、ラーレシム様は想定外だったし、判断を間違えたわ。まさか月の姫様に憑依されるとは夢にも思わなかった。月の姫様との付き合い方を考えなくちゃならないわ」
妖狐たちが月の姫様をどう見るかによるけど、警戒されたのは間違いないでしょうね。判断を誤るとラーレシム様を排除されかねないわ。
「何事も後片付けが一番面倒なのよ」
でも今はラグラナのおっぱい(至福)を全身全霊で受け止めましょう。おっぱいがわたしに力を与えてくれるんだからね。




