1079 モチーフそれかい! 下
「つまり、月の姫様を解放するには、お城にある四つの不滅石を破壊せねばならないのですね」
なんのRPGだよ。ゲーム性に一貫性がねーな。乙女ゲームに四天王制を取り入れんなや。こっちに勇者パーティーはいねーんだからよ。
「はい。わたしの魔力はその不滅石で無力化されています。さらに自身の魔力が溜まりすぎて身動きもできなくなりました。世界樹の杖を持っていなければわたしは永遠に封じられていたことでしょう……」
月の姫様の魔力は超常的なもの。自身を殺してしまうほどの。世界樹の杖に魔力を通して自身の魔力を減らしていたのでしょう。でも、それにも限界がある。その限界ギリギリでわたしが現れたか、女王が動いたか、ね。
「女王は、なぜ外を憎んでいるのでしょうか?」
月の姫様を封じたのは愛憎渦巻くラブストリーから。でも、あの骸骨マンは「また邪魔をするか」と口にした。それはつまり、女王を封じ込めた存在がいたことを意味し、力や技術、それか知恵の回る存在だったってことだ。
「今度こそお前らシャンドルクを滅ぼしてやる。それがずっと引っかかっていたのです」
「……この地には、エルティーヌと呼ばれる王国があり、シャンドルクは敵対する王国。月で迫害されていた民が地上に降りて築いた王国になります」
なるほどね。エルティーヌは月の民と繋がっていたら敵認定されても不思議ではないわか。
「わたしは封じられていたのでわかりませんが、たくさんの声が、悲鳴が聞こえました」
つまり、どちらも滅びてしまいそうな戦いがあったってことか。歴史から消えるほどの……。
「遥か昔、月には死の秘宝というものがありました。なんのために創り出されたかはわかりませんが、あるときからあったことが忘れられ、お伽噺として残るだけになりました」
「迫害されていた月の民が持ち去り、この地上で使われたわけですか」
そりゃ、歴史から消えるわ。
それでも湖の底に逃れたのだからエルティーヌ王国側も凄いわ。死の王国にはなってしまったけど……。
「難易度が少し上がってしまいましたね」
まあ、死の秘宝の効果が残っているなら反転付与で防ぐことはできる。問題はその死の秘宝が今も稼働しているなら封じる必要があるってことだ。
「死の秘宝を破壊することは可能でしょうか?」
「それ以上の生命力をぶつければ可能だと思います。わたしの生命力なら」
「相討ち、ですか?」
「そうなれば嬉しいのですが、わたしの生命力なら半分が消費されるくらいでしょう」
半分でも凄いことだと思うのだけれど、寿命が一万年とかなら半分になっても大したことないでしょうね。なんだか寿命の長さに辟易しているっぽいからね……。




