魂の形
ん?ここは…どこだ?なんかいい香りがするな
『やっと気づいたか、心配したぞ?』
そこには
『ふぁっ!?』
金髪碧眼の女の子に膝枕されてた
『誰だ君!?』
『誰ってお前…国松だよ。エミリー国松』
『お前…本当に女だったんだな…』
『そうだよ。自分ではあまり可愛いとは思ってないんだけどな』
『見た目は僕と同じくらいだな。後綺麗だよ?』
僕がそう言うと、少し顔を赤らめながら話し出した。
『生きてるときに、ブス!異国人!とか言われまくって。それがきっかけで引きこもりになってね…』
『そうなのか、聞いちゃってごめんな』
『いいのいいの、あのときは家の手伝いをして、バイトして働きまくったよ…そして17で過労死。』
『…今の君を見ると信じられないのだけれど。』
『この56年で、自分でもなんだけど真面目な性格がニートの女王様と呼ばれる程、怠惰な性格になったんだよ』
『人に会いたくなくなり、働く事に疲れた結果。荒んで荒んで、今にいたります』
17歳で死んだのか…意外と辛い人生を送ってきたんだな。ん?56年?つまりこいつ…
『お前73歳かよ』
『お母さんから習わなかったかい?女性に歳を聞いてはいけませんって』
『親戚のおばさんより上かよ…』
悲報、美少女がおばさんだった件について
『話辞めていい?なんかムカついてきた』
『お、おう…』
話題を逸らさなくてはなにかあったかな…そうだ!!
『国松は紹介のときに、天使みたいな存在って言ってたけどどゆこと?』
『うーん、どう説明したらいいんだろ…どっちかっていうと天使だけど、結構堕天してるかな?あと、爆霊と同じ魂の形らしいね。』
『爆霊と同じ魂の形?』
『うん。母がね、爆霊の呪詛を浴びせられてしまってね、母は無事だったんだけど、母のお腹にいる俺の魂の形を変えられてしまったんだ。』
『この世を怨む魂の形に』
この世を怨む?どういうことだ?
『それで国松は無事だったの?』
『無事じゃないね。俺の右眼紅いだろ?』
『紅いな』
『これが呪い。相手に自分の辛い想いを伝えたり、相手のトラウマを蘇らせる事が出来るんだ。』
トラウマか…こいつ大変な能力持ってるな…
『お前自身は大丈夫なの?』
『うん。心配してくれてありがとう。』
『意外と素直だな。』
ただの面倒臭がりではなかったのか。そういえば…
『いきなりで悪いけど爆霊ってなに?』
『うーんとね。 種類は様々なんだけど要は、世の中を怨み過ぎた生物の魂の末路なんだよ。 』
『生物?人だけじゃないの?』
『そうだよ。 種類は様々でね、蟲の集合体や犬などの獣、そして人間だよ。』
『蟲に意志はあるのか?』
『 あるよ。馬鹿だけどね 』
人の爆霊だけではなかったのか…あれ?
『さっき戦った奴は鴉型の爆霊だよな』
『そうだよ』
『何故、鳥の形の爆獣だったんだ?』
『取り憑いたのが、鴉だったからな。爆霊取り憑いた生物の形に殆どはなるよ。ただ変貌する事もあるけどな』
『例外が蟲の爆霊。総称『苦怨爆霊』といって、取り付いた生物の体を虫型や爬虫類型の爆獣に変化させ、周りに毒素を撒き散らす。そして取り憑かれた生物は1日で死ぬんだよ。こいつ等が一番めんどい 』
爬虫類?どういう事だ?
『爬虫類ってどういう事だ?蟲なんだろ?』
『蟲といってもね。こいつ等の元は、古代中国で生まれた『蠱毒』という呪術なんだ。爬虫類とか虫とかを殺しあわせて、残った蟲で人を殺すんだ』
『だからこいつ等は自分達と人間を憎んでいるんだ』
『それよりもさ…』
『ん?』
『家帰らなくてもいいのか?』
時間を見ると、6時30だった。
『もう3時間たってるじゃないか!夕飯買ってない…』
『雅人は一人暮らしなのか?』
『いや、母と妹と父と俺の4人暮らし。父は学校の先生をしてるんだ』
『そうか、雅人は偉いな。お母さん達にご飯を作るなんて』
『お前の方が凄いよ…だって働きまくったんだろ?』
『父が先に亡くなったからな、母は病弱で働ける状態ではなかったんだよ。だから働いた…だが働き過ぎた』
『働くのはなんで嫌なの?』
『働き過ぎて過労死した事のトラウマだな。後はたんに面倒くさい』
『そっか…』
『それよりも、きっとお前の家族はお前を待ってるはずだからな。早く帰らなきゃ。』
『お前はどうするんだ?』
『後で教えてやるよ、じゃあな。後 ALIVE・AGAINは手放すなよ? 』
『どうせ戻ってくるんだから、離さないよ。またな!』
こうしてエミリー国松と別れた。




