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目を見開いて彼を見つめる蓮華と、緊張した面持ちで彼女の行動を待つ彼。
しばらく続いた沈黙はいつの間にか到着した次の電車によって破られる。
扉が開くと階段に向かって駆けてくる人、人、人。
「うわ」
彼がひきつったような驚いたような声を発した。
が、すばやく「こっち」と自販機の方を指さし、走り出した。
蓮華も、彼を全速力で追った。
歩いてきた道を引き返すことになったが、彼が止まったから止まったベンチ前で蓮華はホッとしていた。
乗換に急ぐ人たちとすれ違うことはあったが波に溺れることはなかった。
「すごかったね」
振り向きながら彼が言う。
「そうですね」
イケメンは行動もイケメンなのかと思いながら「あの波苦手なんです。助かりました。」と蓮華は続けた。
「ホント? よかった」
爽やかにほほ笑む彼とつられてほほ笑む彼女だった。
初めて2人の間にほのぼのとした空気が流れた。




