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有名侯爵騎士一族に転生したので実力を隠して親のスネかじって生きていこうとしたら魔法学園へ追放されちゃった  作者: すずと
四章

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第98話 衝撃的な言葉をまさな王冠からいただくとは思いもしなかった

 視界が晴れると、目の前にはイカつい顔した鬼の姿があった。その鬼の顔ときたら、やたらめったら驚いている顔である。


 俺はというと手にはハルバート。そういえば、空中からの落下を利用し、相手をハルバートで斬ろうとしていたな。だが、相手の金棒で防がれた。今は金棒と交わり、力比べをしている状況。


 どうやら元の場所に戻って来たみたいだ。


 どうして元の場所に戻って来たのか。どうしてホネチチさんは鬼の姿のままなのか。


 疑問は止まないが、やることは変わらない。


 俺はハルバートを持つ手に力を入れ、くるりと空中で一回転してから鬼の背中に乗ってみせた。


「すぐ元の姿に戻しますからね」


 首根っこの部分に手を置いて魔力を送る。


 断末魔の叫びは上がらないが、煙が上がっていく。


「……え?」


 カランと王冠が地面に落ちる悲しい音が響いただけで、煙の中からホネチチさんは現れなかった。


「なん、で?」


 俺は、また助けられなかったのか? さっきは助けられたのに? なんで? なにが違う?


「マスター!!」


 鬼退治を果たした俺のところにウルティムが駆け寄ってくれる。


「お疲れ様。この鬼も魔人化させられた人だったんだね」


「あ、ああ……」


 ウルティムの言葉に対し、歯切れの悪い返事をしてしまう。


「この人もようやく眠りにつけたんだよ。マスターは良いことをしたんだ。それは間違いないよ」


 俺の態度が、罪悪感を抱いていると察してくれたみたいで、明るく励ましの言葉をくれた。


 そんな彼女の優しさに対し、「そうだな」と空返事をしてしまった。


 どうしてホネチチさんが消えてしまったのか。訳がわからずに落ちた王冠を手に取ってみる。


『お久しゅうございます。リオン殿。と言っても、あなたにはついさっきの出来事だと思いますが』


「!?」


 ホネチチさんの声が聞こえてくる。でもどこから?


 俺がキョロキョロしているもんだから、ウルティムが首を傾げた。


「マスター、どうかしたの?」


「声、聞こえないか?」


「声ぇ? ううん。なにも聞こえないけど」


 空耳か? でも、確かに聞こえて来た気がするのだが。


『リオン殿。ここです。王冠ですよ』


 再度聞こえて来た声。しかしそれは到底王冠から発せられているとは思えない声だ。


『私の声を聞くことができるのは、どうやらマリン殿と同じ存在の人だけだと思われます』


 この感じ……学術の杖を持った時と似ているな。あれは時を止めてたけど。


『懐かしゅうございます。もうあれから数百年……もっと経ったのでしょうか……』


「すみません。ちょっと状況がわかんないんだけど……ホネチチさんが王冠にいるって認識でも良い?」


『その認識で構いません』


「色々と聞きたいことがあるんだけど……」


 周りを見てみると、逃げ惑う人達の姿はない。ルベリア王女を筆頭に、ヴィエルジュとフーラが上手く誘導してくれたのかな。


 ここにいるのは、負傷したライオ兄さん、ライオ兄さんを回復してくれているエリスさん。そしてウルティムだ。


「マスター、大丈夫?」


 側から見ると、独り言を言っている様に見えるのだろうか。ウルティムが心配そうな眼差しで見つめてくる。


「ウルティム。事情は後で説明するからさ、ライオ兄さんを連れて、もうこのダンジョンは大丈夫だってことをみんなに知らせてあげてくれないか?」


 こちらのお願いに、疑問の念を抱いている。


「あの子は連れて行かなくて良いの?」


「実は俺とエリスさんだけが変な魔術にかかっちまってな。その辺も後で説明するからさ。頼むよ」


 そう言うと少し心配そうな顔をしてくれたが、すぐに、「わかった」と頷いてライオ兄さんを背負ってみんなの後を追ってくれた。


「エリスさん」


 彼女の元へ駆け寄ると、目を点にし、あたふたとしていた。


「あ、あの……えっと……ここは元の場所でしょうか? あの、患者を女の子が背負って、あれで、この、回復はできたのですが、いきなりで、その……」


「エリスさん。落ち着いてください。俺も訳がわかっていませんが、とりあえずホネチチさんの話を聞きましょう」


「ホネチチ、さん。ええっと……ついさっき、リオンさんが話していた男の人、ですよね? 鬼から人になった?」


「ええ、そうです。今は王冠の中にいるみたいですけど」


「え?」


『お久しゅうございます。エリスさん』


「あ、は、はひ。ど、どうも、です。わたし、はあんまり話せていませんが」


『良かった。エリスさんとも会話ができる。やはりマリン殿と同じ存在だからでしょうかね』


「それってつまり、エリスさんが転生者ってことですか?」


 エリスさんに視線をやると、「い、いやいやいや」と手を振っている。


「わたわた、私がそんな特別な存在なんて、ないです。はい」


「違うみたいですが」


『いえ、私が言いたいのは転生者ということではなく。お二人がマリン殿と同じクローンだということです』


 ──へ?

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