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妖怪百物語  作者: keikato
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1696/1699

1696 大蓮寺

 大蓮寺は怪火の一種です。

 これは埼玉県川越市に次のような話が伝わっています。

 その昔。

 古谷上の二ノ関の田んぼの中に、樹木がこんもりと繁った昼間でも薄暗い塚があり、かつてこの塚のあった場所には、大蓮寺という名の山伏が住んでいたといいます。

 夏から秋にかけての夜。

 夜な夜な、この塚から1尺ほどの火の玉が現れ、あたりをゆらゆらと漂い、それからまわりの村々を飛びまわり、明け方になると帰ってきました。

 この火の玉は、死んだ大蓮寺の魂が不運にも安住の地を見つけられず、あてもなくフラフラとさまようようになったのもので、人には何の危害(きがい)も及ばさなかったといいます。

 この大蓮寺。

 何のキガイも見られませんでした。


・キガイ=危害(きがい)=気概(きがい)

・1尺=約30センチ


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