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妖怪百物語  作者: keikato
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1695/1706

1695 夫婦火

 夫婦火(めおとび)は怪火の一種です。

 これは長野県上伊那郡箕輪町に次のような話が伝わっています。

 その昔。

 かつての上伊那郡東箕輪村に、密かに想いを寄せ合う男と女がいたのですが、二人にはどうしても避けられない事情があって、やがて結ばれぬ恋の果てに死んでしまいました。

 二人はそれぞれ別な場所に葬られたのですが、その後、夜になると三日町と東箕輪長岡の二か所から、二つの火の玉が同時に現れるようになりました。

 二つの火の玉は二か所の間で出遭うと、朝までもつれあうように仲睦まじく飛びまわり、それは二人の魂が一つに結ばれて夫婦となり、まるで一夜の逢瀬を楽しんでいるかのようでした。

 この夫婦火。

 死んで火がつきました。


・火がつく=ほうっておけない状態になる

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