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妖怪百物語  作者: keikato
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1688/1754

1688 大獄丸

 大嶽丸(おおたけまる)は鬼の一種です。

 伊勢と近江の国境にある鈴鹿山に棲んで、これは神通力を操って悪行の限りを尽したといわれています。

 あるとき。

 帝は坂上田村丸に大嶽丸の討伐を命じ、これにより大嶽丸と田村丸の戦いが始まりました。

 大嶽丸は鬼神となって天地を響かせ、氷の剣を三百ばかり投げつけましたが、田村丸の両脇に立つ千手観音と毘沙門天が、それらすべて払い落としました。

 大嶽丸が数千もの鬼に分身すると、田村丸が神通矢を放ち、一の矢が千の矢に、千の矢が万の矢に分裂して、数千もの鬼の顔をすべて射抜きました。

 最後。

 大嶽丸の首は田村丸の剣ではねられたといいます。

 この大嶽丸。

 一矢も報いることができませんでした。


・一矢を報いる=少しでも反撃する

・坂上田村丸(坂上田村麻呂・758~811・平安時代の公卿、武官)


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