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妖怪百物語  作者: keikato
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1681/1755

1681 川手

 川手(かわて)という妖怪がおります。

 川手は長野県南佐久郡南牧村に次のような話が伝わっています。

 その昔。

 甚兵衛という男が、野辺山原のあざみ原へ薪(たきぎ)を取りに行った際、伐った木の根元から目が皿のように大きな化け物が現れ出ました。

 甚兵衛は驚いて逃げ帰りました。

 それ以来。

 夜になると山の方から、甚兵衛の名を呼ぶ声が聞こえてくるようになり、甚兵衛は精神がおかしくなったのか、その声を聞くと、「川手やーい」と叫びながら山の方へ走っていくようになりました。

 その後。

 甚兵衛はそのことがもとで、名主の屋敷の檻(おり)に入れられてしまいました。

 甚兵衛が檻の中から名主に訴えます。

「オリイッテ話があるんじゃ!」


・オリイッテ=檻(おり)入って=折り入って

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