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妖怪百物語  作者: keikato
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1659/1757

1659 耳四郎

 耳四郎は江戸時代中期、木村蒹葭堂著『蒹葭堂雑録』に次のようなことが記されています。

「安永7年の春。

 豊後国生まれの耳四郎という者が見世物に出た。

 耳四郎は耳でものを言うことができた。

 まずはじめに耳から声を出し、さらには「かぼちゃ節」を歌った。

 大声を出すと竹細工の象独楽(ぞうこま)のように聞こえた。

 それから三味線に合わせて種々の歌をうたい、見物人を喜ばせた。

 口の中に笛などの仕掛けがあるのではとの疑いを晴らすため、煙草を吸いながら声を出した。

 世にもまれな奇芸だと評判をとり、見世物小屋は大いに繁盛した。

 耳で言葉を発するとは驚きだ。

 この類いの話は未だ聞いたことがない」

 この耳四郎。

 耳を疑うような話でした。


・耳を疑う=信じられないような

・安永7年=1778年

・木村蒹葭堂(きむらけんかどう・1736~1802・文人画家、本草学者)

・『蒹葭堂雑録』(けんかどうざつろく・1859年刊・随筆)


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