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1651 トチナンピー1
トチナンピーは山形県の民俗学者、戸川安章著『羽黒山二百話』に次のような話があります。
その昔。
現在の鶴岡市羽黒町に、トチナンピーという名前の妖術使いが住んでいました。
ある日のこと。
トチナンピーが用あって往来を歩いていると、道沿いの家の茅の屋根を葺いていた男たちが、「いくら妖術使いのお前でも、日中は術が使えまい」と、屋根の上から口々に小馬鹿にしました。
そこでトチナンピーは素知らぬ顔でその場を通りすぎてから、こっそり妖術をかけました。
このあと男たちは、どこまでも軒が続いている錯覚に陥り、足場を踏みはずして、一人残らず地面に転落してしまったといいます。
この男たち。
トチナンピーの術中にオチタのでした。
・術中に落ちる=計略にひっかかる
・戸川安章(とがわあんしょう・1906~2006・民俗学者)
・『羽黒山二百話』(1972年刊・山形県の怪異譚)




