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1643 卒塔婆の怪1
卒塔婆の怪は『曽呂利物語』に次のような話があります。
その昔。
最上の商人が京で遠慮深い女をめとった。
二人は一緒に暮らさなかったが、やがて最上に帰り、そこで子を一人もうけた。
あるとき商人は再び京に上り、妻の実家を訪ねたのだが、父親から「娘は3年前に死んだ」と聞かされた。
商人が「妻は最上で暮らし、子もいる」と説明すると、父親は妻に会いに最上までついてきた。
けれど、妻は父親に会おうとしなかった。
痺れを切らした父親が妻の部屋に入ると、そこに妻の姿はなく、一本の卒塔婆があるだけだった。
書かれた文字から、それは娘の供養に立てたものだったという。
この卒塔婆の怪。
妻はいつもモジモジしていたのでした。
・モジモジ=もじもじ=文字文字
・『曽呂利物語』(そろりものがたり・作者不詳・1663年刊行の仮名草子・奇談集)




