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妖怪百物語  作者: keikato
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1641/1757

1641 お歯黒鮒

 お歯黒鮒(はぐろぶな)は鹿島郡自治会編の『石川縣鹿島郡誌』に次のような話があります。

 石川県七尾城は畠山氏の城であるが、上杉謙信に攻められて落城した歴史がある。

 この七尾城跡に残る池には畠山氏側の討ち死にした武士や、自害した侍女らにまつわる奇妙な話が伝わっている。

 七尾城落城のとき、侍女らはこう語り合ったという。

「生きて縄目の恥を受けるよりも、むしろ自ら命を絶った方がまし」

 そして次々に城中の池に身を投げた。

 今、その池の中には鮒が泳いでいる。

 その鮒は口が黒いのでお歯黒鮒と呼ばれている。

 このお歯黒鮒こそ、落城のとき無残な最期を遂げた侍女らの怨霊であるという。

 このお歯黒鮒。

 ずっとクロウしていたのでした。


・クロウ=黒う=苦労

・上杉謙信(うえすぎけんしん・1530~1578・戦国時代の武将・大名)

・『石川縣鹿島郡誌』(鹿島郡自治会編・1928年刊)


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