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妖怪百物語  作者: keikato
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1640/1757

1640 盲人の幽霊

 盲人の幽霊は松浦静山の『甲子夜話』に次のような話があります。

 狂言師の鷺(さぎ)仁右衛門から聞いた話。

 ある盲人の男が死んだ。

 妻子がなかったので、友人たちが部屋に集まり遺品の整理を行った。

 葬儀も終え盲人を偲んでいると、いつ現れたのか部屋の中に影のような人が佇んでいた。

 影のような人は掌を広げて壁をなでている。

 皆はしばらく見ていたが、その間ずっと壁をなで続け、いつまでもやめようとしなかった。

 朝、いつしか影は消えていた。

 壁に何かあるのではと、影がなでていた壁に貼られた紙をはがしたところ、そこには小判や一歩金などの貨幣がびっしり隙間なく並べ貼られていたという。

「ものすごい金への執念だな」

「オッカネー」


・オッカネー=お金=おっかねえ

・松浦静山(まつらせいざん・1760~1841・肥前平戸藩主)

・『甲子夜話』(かっしやわ・随筆)


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