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1283 禿狐
禿狐は西村市郎右衛門著『新御伽婢子』に次のような話があります。
ある夜。
京の西洞院柳に住む者が友人宅へ向かう途中、背後から何者かに抱きつかれた。
男がその者の手をつかむと、毛皮のような手触りがしたが、そのままそいつを友人宅まで引きずっていった。
灯りに照らし出されたのは禿に髪を切り揃え、真っ黒な顔に長い鼻を持つ、人のようで人ではないものだった。
みな怪しみ、縄で縛り上げようとして男が手を離したとたん、そいつは忽然と消え、後には縄が残っているだけだった。
昔からそのあたりには禿狐なるものが出るといわれていて、14、5歳の禿の姿をして現れるという。
この禿狐。
ハナから人でないとわかりました、
・ハナから=はなから(初めから)=鼻から
・禿=頭に髪がないことを言い、肩までで切りそろえた児童期の髪型、あるいはその髪型をした子供
・西村市郎右衛門(にしむらいちろうえもん・生年未詳~1696?・浮世草子作者)
・『新御伽婢子』(しんおとぎぼうこ・1683成立・浮世草子)




