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1281 入内雀
入内雀は怪鳥の一種です。
これは平安時代の歌人、藤原実方の伝承に次のような話があります。
ある日。
実方は殿上で藤原行成と口論になり、行成の冠を投げ捨てたことから、一条天皇の命により、京から陸奥国に左遷となりました。
実方はこの仕打ちへの怨みと、京への想いを募らせながら、失意のうちに陸奥で没しました。
その後。
京都で奇妙な噂が流れ始めます。
それは毎朝、清涼殿に1羽の雀が入り込んで、台盤の飯をついばむというものでした。
人々はこれを、実方の怨念が雀と化したものだとして、ひどく恐れました。
この日。
一条天皇が清涼殿にやってきて雀に言いました。
「実方、勝手はサセンぞ!」
・サセンぞ=させないぞ=左遷ぞ
・藤原実方(ふじわらのさねかた・生誕不詳~999・平安時代中期の貴族・歌人)
・一条天皇(いちじょうてんのう・980~1011・第66代天皇)




