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1276 産怪
産怪は森田盛昌の『続咄随筆』に次のような話があります。
元文元年8月23日。
高山氏の妾は懐妊して11カ月になり、いよいよ腹痛があって、出産の兆しが見えた。
ところが妾は産婆が来る前に、なぜかこつ然と姿を消した。
皆で手分けして捜したところ、妾は土蔵の2階で器物に埋もれるように倒れていた。
意識が戻った妾は、「男の子をぶじ産んだのに、どこからともなく『この子はもらっていく』と声がして、そのあとのことは覚えていません」と言った。
このとき、妾は妊婦の体ではなく、また出産した形跡もなく、産気が胎児ごと消えたようだった。
しかもこの妾は、こうしたことがこれで3度目だったという。
この産怪。
サンカイありました。
・サンカイ=産怪=三回
・元文元年=1736年
・森田盛昌(もりたもりまさ・1667~1732・加賀藩士)
・『続咄随筆』(ぞくはなしずいひつ・随筆)




