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1263 蛇娘
蛇娘は生霊の一種で、江戸時代後期、橘崑崙著『北越奇談』に次のような話があります。
その昔。
越後国蒲原郡に住む某の娘は、病身で久しく床に伏せていました。
あるとき友人の初春の祝いに誘われたのですが、両親は病気だからといってそれを許しませんでした。
かたや祝いの場。
大勢の女が歌に踊りに興じていたところ、天井がミシミシと鳴って、胴回り1尺ほどの大蛇が座敷に頭をのぞかせました。
女たちは仰天し、それを見た大蛇は天井に姿を消しました。
翌朝。
病身の娘が家族に語りました。
「夕べね、お祝いの夢を見たの。座敷が賑やかだから中をのぞいたんだけど、なぜか大騒ぎになって、夢がさめたの」
この病身の娘。
症状はヘビーでした。
・ヘビー=蛇娘=ヘビー(重い)
・橘崑崙(たちばなこんろん・1761~1819・詩書画家)
・『北越奇談』(ほくえつきだん・随筆集)




