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1237 老僕の予言
老僕の予言は根岸鎮衛の『耳袋』に次のような話があります。
本郷に三河屋という質屋があった。
ある日。
この店で長年働く老僕が、「もうすぐ近所で火事がある」と言った。
数日後、本当に近所の家から火が出た。
店の者たちはあわてたが、老僕は「この店まで火は来ない」と教えた。
その予言どおりだったので、火事に関わっているのではと、老僕は火付改めに逮捕されたが、すぐに解放された。
また深夜、老僕の部屋でたまに話し声がするのを使用人たちが聞いていた。
店の主人がそのことを問いただすと、「夜中に山伏が訪ねてきて、あちこちで起こる災難を聞かせてもらっていました」と、老僕は答えた。
「では、今回の火事も?」
「サイナンです」
・サイナン=そうなん=災難
・老僕=年とった下男
・根岸鎮衛(ねぎししずもり・1737~1815・旗本)
・『耳袋』(みみぶくろ・雑話集)




