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妖怪百物語  作者: keikato
1231/1297

1231 鼻より龍

 鼻より龍は江戸時代中期、高古堂主人著『新説百物語』に次のような話があります。

 武蔵国の某若侍が昼寝をしているときでした。

 鼻の奥が気持ち悪くなり、うっとうしく思っていると虫が飛び出してきたので、その虫に枕元にあった茶碗をかぶせて、またひと寝入りしました。

 目覚めて茶碗の中を見ると、虫はずいぶん大きくなって、茶碗いっぱいになっていました。

 主人が話を聞いて、虫を桶に入れてふたをし、夕方になって開けてみると、今度は桶いっぱいの大きさになっていました。

 そのあと。

 桶に石を載せて庭に出していたところ、なぜか翌朝には消えていて、あれは龍だったのではということになりました。

 この虫。

 鼻につく虫だったといいます。


・鼻につく=振る舞いなどがうっとうしく感じられる

・高古堂主人(こうこどうしゅじん・生没不明)

・『新説百物語』(しんせつひゃくものがたり・読本)


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