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1227 高雄山の怪
高雄山の怪は堀麦水の『三州奇談』に次のような話があります。
享保年間。
金沢浅野川下流に弥助という猟師がいた。
弥助は来世での罪を恐れず、盂蘭盆の日の朝も猟に出かけた。
高尾山のふもとはまだ暗く、そんなときに四十ほどの女と十八、九と見える女が白い衣をつけ、長い髪を乱して道に座り込み、さめざめと泣いていた。
弥助は怪しいと思いながらも、二人に近寄って訳を聞くも、女たちは何も答えなかった。
弥助が足早にそこを通り過ぎ振り返ってみると、二人が猛然と追ってきたので、弥助は恐ろしくなって四十万の里まで走って逃げた。
女たちの姿はいつしか消えていたという。
この高雄山の怪。
女たちが怪しいのはヤマヤマでした。
・ヤマヤマ=山山=やまやま(たくさんあるさま)
・盂蘭盆=ご先祖様の魂を自宅にお迎えしてご供養するのための行事や期間。現在のお盆
・堀麦水(ほりばくすい・1718~1783・俳人)
・『三州奇談』(さんしゆうきだん・加賀・能登・越中の奇談・怪談・珍談)




