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1224 船坂の靄船
船坂の靄船は怪異の一種です。
これは「比叡山の七不思議」で次のような話が伝わっています。
その昔。
延暦寺会館を下った先に「表坂」といわれる坂道があるのですが、比叡山は女人禁制だったため、女性は入ることが許されず、ここで想いを残して死んでいった者が多くいました。
そうした女の亡者が、深く靄が立ち込める夜、その靄に浮かぶ船に乗って表坂を登ってきました。
その船を見た某僧は、女の亡者と目が合ったとたんに気を失い、翌日に死んでしまったといいます。
それ以来。
この表坂を船坂と呼ぶようになりました。
この船坂を登る靄船。
比叡山で想いを残して死んだ女の亡者たちにとっては、まさに渡りに船だったといいます。
・渡りに船=靄船
・渡りに船=必要なときに必要なものがそろったり、望ましい状況になったりして好都合なこと




