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妖怪百物語  作者: keikato
1212/1273

1212 碁盤座印可の天神

 碁盤座印可ごばんざいんかの天神は高古堂の『新説百物語』に次のような話があります。

 京の五条の東に書道の指南を生業とする男がいた。

 ある夜。

 夢に天神が現れて告げた。

「我は天神なり。明日、高辻柳馬場に来るべし」

 男はさっそく高辻柳馬場へと向かった。

 早朝の高辻柳馬場に着くと、角の店が開店の仕度を始めていた。

 そこで男がその店をのぞくと、夢に見た天神の像が碁盤の上にあった。

 男はその像をすぐに買い求めた。

 その後。

 天神に願うと、何でも叶った。

 天神は手に巻物を持っていて、印可を出しているような姿から碁盤座印可の天神と呼ばれ、後に大龍寺に納められたという。

「あなたさまが碁盤座印可の天神ですか?」

「ゾウですが」

・ゾウ=そう=像

・印可=師がその道に熟達した弟子に与える許可、免状

・高古堂主人(こうこどうしゅじん・生没不明)

・『新説百物語』(しんせつひゃくものがたり・読本)



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