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1212 碁盤座印可の天神
碁盤座印可の天神は高古堂の『新説百物語』に次のような話があります。
京の五条の東に書道の指南を生業とする男がいた。
ある夜。
夢に天神が現れて告げた。
「我は天神なり。明日、高辻柳馬場に来るべし」
男はさっそく高辻柳馬場へと向かった。
早朝の高辻柳馬場に着くと、角の店が開店の仕度を始めていた。
そこで男がその店をのぞくと、夢に見た天神の像が碁盤の上にあった。
男はその像をすぐに買い求めた。
その後。
天神に願うと、何でも叶った。
天神は手に巻物を持っていて、印可を出しているような姿から碁盤座印可の天神と呼ばれ、後に大龍寺に納められたという。
「あなたさまが碁盤座印可の天神ですか?」
「ゾウですが」
・ゾウ=そう=像
・印可=師がその道に熟達した弟子に与える許可、免状
・高古堂主人(こうこどうしゅじん・生没不明)
・『新説百物語』(しんせつひゃくものがたり・読本)




