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妖怪百物語  作者: keikato
1200/1235

1200 牛マジムン

 牛マジムンという妖怪がおります。

 沖縄県中頭郡読谷村に伝承があり、これは悪霊が牛に化けたもので、大きな真っ黒な牛の姿をしていたといいます。

 また同県島尻郡では、これは棺桶を担ぐ葬具のがんが牛に化けた「龕の精」のようなものだったといい、次のような話が伝わっています。

 ある日の夜遅く。

 某空手家が、突進してきた赤い牛を大格闘の末、両角をへし折って組み伏せました。

 ところが空手家自身も疲れ果て、そのまま倒れ込んで気を失ってしまいました。

 翌朝。

 空手家が気がつくと、へし折った牛の角は龕の両側に付いていたとりの飾りに変わっていたといいます。

 この龕の牛マジムン。

 トリカエシのつかないことになりました。


・トリカエシ=取り返し=鳥返し

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