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会議と困惑の二十一話

よろしくお願いします。

 「――――――――――は、話を……続けよう……か?」


 直ぐ側で起こったアーネの凶行を、内心でセラフィナに詫びを入れながらも黙殺し、エキドナは口元を引き攣らせながら会議を仕切り直そうとする。

 イーサンに引きずられ、何事かを喚きながら退場して行くアーネの姿に、張り詰めていた場の空気は既に霧散しており、強張った顔をしていた赤色の両パーティの面々も、毒気を抜かれて立ち尽していた。

 ゴンザとゲインという、赤色を名乗る両パーティのリーダーを除いて。


 「がはははっ!! 相変わらず元気の良い嬢ちゃんだ!!」


 「まったくよ~! アーネの奴は相変わらずだな!」


 彼等、ゴンザとゲインがエキドナと交わす会話の節々から、エキドナと親しい間柄である事をセラフィナは感じ取っていたが、どうやらアーネを始め、メンバー全員との交流が彼等には有るのかもしれない。

 セラフィナはアーネの見せたあの微笑みを一刻も早く忘れようと、半ば現実逃避気味にそんな事を考えていた。

 そんな折、不意に強い視線を感じ、我に返ったセラフィナは、視線の送り主へと眼を向けた。


 「……?」


 その先にあったのは当の両リーダー、ゴンザが浮かべる驚愕の表情と、ゲインの訝しげな視線であった。


 「むぅっ!! なんと!?」


 「あん? 魔術師……か?」


 アーネが引き起こした騒ぎによって、セラフィナの姿が目に入ったのだろう。

 セラフィナは「気がつくのが遅過ぎるのでは?」等と内心で思いながらも、それなりの交流が有るのであろう金色の虎のメンバーの中に、見知らぬ存在が紛れ込んでいれば驚くのも無理はないと、その視線に一応の納得をする。

 ゴンザの反応が大き過ぎるのが気がかりではあったが、場合によっては共に彷徨う騎士に挑もうという相手、それもパーティリーダーである。

 まさか無視をする訳にも行かず、セラフィナは小さく頭を下げた。


 「ん? あ~……セラフィナについては後で紹介するよ。今は作戦の確認を先に済ませたいんだが、構わないかい?」


 そんな様子の彼等に対し、エキドナは直ぐにはセラフィナを紹介せず、作戦の確認を優先させたいとゴンザとゲインに理解を求める。

 それは単純にセラフィナの作戦参加は未確定の状態であり、冒険者パーティ金色の虎の正式メンバーでもない以上、セラフィナをどのように紹介したらいいものか、エキドナ自身が迷っていた為でもあった。


 「ああ! 早いトコ終わらせちまおうぜ!」


 「なんと!! なんと!!」


 特に気にした様子も無くエキドナの要望を受け入れたゲインだったが、一方のゴンザはといえば、未だセラフィナを見据えたまま驚愕を露わに声を上げていた。


 「どうしたんだアニキ? 早く終わらせちまおうぜ?」


 「む!? おお、わかった!! 終わらせよう!!」


 ゲインに急かされ、ようやく我に返ったゴンザが会議の進行に同調し、再び会議は始まろうとする。

 しかしゴンザは未だセラフィナを見据えたまま、驚愕冷めやらぬ表情を浮かべているのだった。


 「……さて。それじゃ続きを始めようじゃないか!(流石にゴンザは気がついたようだが、ゲインは無理か。まぁセラフィナの事は会議が終わってからでも遅くは無いんだ。今は会議が優先だね……)」


 「……。(一体何事ですの? ゴンザ様は何をそれほどまでに驚いて……?)」


 エキドナはそんな彼等を交互に見やると何食わぬ顔で会議を再開し、セラフィナは自身を見据えたままのゴンザの様子に困惑するばかりであった。


ありがとうございました。

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