14【ステータス】
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「いいか、ステータスってのは今現在のお前らの状態だ」
「はい」
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アズール:人間族 男 9歳
職 業:冒険者 Dランク
レベル:30
生命力:50
体 力:60
魔 力:20
魔法基本属性:風・土
その他スキル:剣術A級
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「アズール、同じ日に登録に来て差が開いているのは納得いかないかもしれないが、お前も九歳でDランクはかなり優秀だ。しかも数値がどれも平均以上だからな。お前は頑張ればAランクになれる。絶対に」
「それは大変うれしいお言葉ですけど…、リーンはすでにAランクですね」
「こいつは特殊な事情があってAランクだ。
まだ依頼を一件もこなしていないのだから数字は潜在的なものだろう」
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リーン:人間族 男 8歳
職 業:冒険者 Aランク
レベル:60
生命力:80
体 力:50
魔 力:600
魔法基本属性:全属性
魔法特殊属性:全属性
魔法スキル:空間・鑑定
その他スキル:剣術A級 魔術S級 猫使い
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薄い山吹色に光る板にあるステータス。
ステータスの板の色だけでもアズールと違う…。表示するだけでAランクとばれるのだ。
まあ、ギルド証も色が違うからばれるんだけど。
「いいか、レベルは今のお前たちの能力の程度だな。
上限は1000だと言われている。これを超えるやつもいることはいるが、二人しか記録されていない」
「二人?」
「一人は積層の魔導士にして大賢者のリィーン・ラ・ビブリオー」
「あの方は大賢者なのにレベルも高かったのですか?」
「賢者というのは魔法使いだからな。そっちのレベルが高かったんだろう」
…まあそうですね。
「もう一人は魔の森に棲んでいる魔王、デュークと言う男だ」
「魔王…」
アズールがつぶやく。
森に接してる辺境ではそう言われているんだよね。
「魔王じゃないよ!ハイダークエルフだよ!本当は」
ついムキになっちゃう。
「そうだ、よく知ってるじゃねえかリーン」
「図書室にあの人の物語があるからね」
俺が書いたのじゃないけどさ。
「まあ、その二人はそもそも次元が違う」
「はい」
「……」
「さて、お前らの知ってそうな奴で言うと、フェルザ・ド・マッケラン中隊長だな、あいつはここだけの話、レベルは300。もちろん冒険者のライセンスはAだ」
中隊長は俺と同じレベルなんだな。
「さっきお前らが戦った、スティーロは、一番活躍していた時は レベル600を超えていたらしい。そのころにライセンス更新してSだ。
一度Sになったライセンスは自分から申し出ない限り下がることはない。
だがあいつはもうスタミナが無いからと本人の意思でAランクに下がっている」
「Sランクになると桁違いだな」
「Aランクとの差がすごいね」
「でもリーンはまだレベル60しかないのにA?」
「ランクは単純な戦闘能力だけじゃない。もちろん積み重ねた活躍でも加算されていく。
それより、リーンの場合は魔法のスキルが桁違いだ」
…こんなの司書の真似事をしてた時の半分にも届いてないよ。
昔の魔術師団の幹部より低い。低すぎてやっぱりちょっとショックなぐらいだよ。
やっぱり魔法も練習をするべきだよね。
「そうですね、自分の魔力量の数字にもびっくりしましたけど。しかも属性が二つもあったんです。ちょっと嬉しいですね。
リーンは全属性みたいだけど…全属性ってなんだろ」
「そうだな。しかし魔法はもう…だが冒険者ギルドのギルマスとしては伸ばすことを止めることはしない。
ただ、今は魔法の指導者がいないのだ。魔法は我流で勉強することは危険とされているからな」
……ちょっとずつすればいいんだよ。
魔法は攻撃に使えば殺傷能力が高い。しかも魔力が枯渇すれば魔法使いの命にもかかわってくる。
だから、魔法は魔法使いが弟子をとって教えていた。
俺も司書の真似事をしていた時には部下の司書がつまり魔法を教える側だった。
筋骨隆々の書物に興味が全然ない部下に図書館の業務をさせるのに苦労したものだ。
「師よ、我は知識より力が欲しいのです」
「知識は力のブーストには何よりなのですが…なら、その壁の本棚の左右の順番を全部入れ替えてみなさい。
魔法はともかく、筋肉はつくでしょう。なにしろ一万冊あるのだから」
「はっ!やってみます」
静かな図書館で、がさがさし始めた。
ごめんね他の閲覧者たち。
「…いきいきしてまあ、そんな訓練がしたいなら兵士の訓練に行けばよいのに」
〇●●●〇
「ギルマス、リーンのスキルには自分と同じ剣術A級もありますけど、魔術S級がありますね」
「たしかに。俺も初めて見た。
リーンは何処で魔法を教わっているのだ?今も教えることができる魔法使いがいるのか?」
「俺の魔法使いの師匠は、図書館だよ。あそこには積層の魔導士の魔法書もあるし」
タイトルしか見てないけど。内容は分かってるから。
「えー」
「しかしS級ならアズールに教えてやれるのではないか?」
「簡単なのなら」
「え?いいの?リーン」
座ってるのに上からの視線がきらきらしている。
遊んでもらうのを待ってる大きな犬ころみたいだぜ。
「うーん、教えてあげたいのはやまやまなんだけど、俺も忙しいからなぁ」
「あ…たしかに…だもんな…」
しゅーんて音が聞こえそうな勢いでしぼんでる。
「アズールは魔法を習得したいの?」
「もちろんだよ」
「じゃあ、中隊長にアズールの配置換えを頼んでみようかな」コソッ
「はい?」
「でも、城では俺の魔力や魔術については内緒だよ。乳母しか知らないからね」コソッ
「はい」
「それにしても、このステータスのままじゃ都合が悪いな」
「なら編集しろよ」
もちろんしますとも。
「編集って何ですか?」
アズールがギルマスに聞く。
「さっきみたいにギルド証を握って〈フルステータス〉と言ってみろ。フルステータスの画面は自分にしか見えないから」
「はい」
「「フルステータス」」
「あ、家名が…他は変わらないけど。口座のお金が…ちゃんと出てる」
「口座?」
「親父に持たされてる商業ギルドのほうの口座のカードの残高だ。見習いだけど兵士の給金もここに入ってるんだ」
「同期しているから、冒険者ギルド証でも出し入れできる」
ここで複数の口座があれば並んじゃうんだよね。
王子ファーリィンの口座ってあるんだろうか…まあなくても困らないけど。
むしろ〈冒険者リーン〉のお金を国庫に預けてしまっても良いけどな。そうなると父上に説明するのが面倒だな…。
「リーンの板が倍の大きさになっている」
「ほんとうだ、いったい何が表示されているんだ?」
俺の〈フルステータス〉には千年以上前からのリーンやリィン…いくつもの俺の名前が並んでいた。それこそ積層の魔導士と言われた人生のいくつも前から…。
もはやかすかな記憶しかない…普通は記憶なんて何もないらしいが。
その内容の横に、項目によって〈隠匿〉〈ギルド〉〈オープン〉などと書かれている。
冒険者リーンの隣は〈ギルド〉、黒猫リィンは〈隠匿〉。
ファーリィン・ラ・ランデルソールは〈ギルド〉これはさっき剣術のカードを渡したことで入れられたのかもしれない。
で、預金高があって〈ギルド〉
などとなっていた。
ほかは〈ステータス〉で開いた項目が〈オープン〉
このカッコの所に指を近付けてみるとスライドして入れ替えられるところと無理な所があった。
今のフルネームは〈隠匿〉できなかった。〈オープン〉は出来るけどギルド内で秘密にしてくれるようだ。
でも、魔術は動かせたので〈ギルド〉に変更した。
数値は動かせなかった。
「〈冒険者リーン〉の口座から、一年あたり小銀貨一枚分、百五十年分を財産管理費に引かせてもらった」
「それは元々の維持費だから納得できますよ」
「…それでも残りは国を丸ごと買えそうなほどあるぞ」
「…やめてください。そんなことに興味はないです」
俺は早く魔の森に行きたいのに。
ステータスの中でも生命力は予測寿命。このまま何事もなければ俺は80歳ぐらいまで生きていけるということだ。黒猫は短命だったけど、冒険者の50年よりは長い!それでも限りある命をあの人のもとで過ごしたい。
今はまだ8歳だけどさ。焦るじゃん。
「ギルマス」
「何だリーン」
「ギルマスは〈隠匿〉は見てないのか?」
「初めから〈隠匿〉で上がってきたものは見えなかったって事だろう。
…たぶん前のリーンが設定したのじゃないか?」
と俺を見る。
覚えてるわけないよね。
「ギルマスは自分達の本名も見たんですね」
アズールが俺の代わりに聞いてくれた。
「…ああ、正直そっちも驚いた。だが俺達の守秘義務は信じてほしい」
「わかりました。
さあ…とりあえず魔術を隠した。今の時代はね」
「そうだな。だが、リーンお前光魔術も使えるのか?」
「結構得意ですよ」
光魔法は、毒を消したり、止血や擦り傷を治すことが出来る。骨折も…まあ、魔法の使い方を工夫すればなんとかなる。
でも、欠損を再生するほどのことは出来ないし、病気に至っては風邪のかかり始めを治すことぐらいが限界だ。
あとは掃除や洗濯では無理な浄化ぐらいだ。
個人的には洗濯は水魔法の方が良いと思っているけどね。
「怪我が治せるんだなそれは心強い!…いや、リーンがこの地域にいるのは有難いな」
ギルマスが晴れやかに言う。
「ただ、杖がないので効率が悪いと思います、そこの売店にあればいいのですが」
「そうか、杖か…」
「まあ、ちょっと売店で材料を探しておきます」
「まさか作れるのか?」
「図書館に作り方の本があったので」
「また図書館か…」
「そう、俺図書館好きなんだよな」
「宮殿の図書館には入ったことねえな。実家の図書室は入ったことあるけど」
「午前中は入れないからか?…アズールが入れるようにちょっと考えとくよ」
「よし、ではギルド証についての説明は以上だな。
次にこれも渡しておこう」
と小さな手帳を一冊ずつ渡された。
小さいながら革の表紙で、中は糸でしっかり縫うように閉じられている。
「これは年に一回支給できる。それ以上は売店で買える」
中を見るとカレンダー機能のあるメモが半分程占められていて、見開きで一週間ある。ただ日付を書き込まなくてはいけないようだ。
手帳の後ろ半分はさっき見ていた冒険者ギルドガイドの内容がゴマ粒のような文字で書きこんであった。
他には、冒険者ギルドが所在する街の名前、討伐した魔物や動物の提出部位や解体の仕方、怪我をした時の応急処置方法などだ。
ちょっとした料金表もある。
「俺にはその文字はもう小さすぎて見えないがな。
さっきもリーフレットの方を読んでたが、あれは冒険者になる前に読むものだ。今はそれを熟読しておけよ。
そして、出来るだけ手帖を携帯しろ」
「はい」
「確かにこれは便利ですねぇ。依頼の内容とかスケジュールをメモるんですね。
あ、面積とか体積の計算式もあるんだ」
アズールが感心している。
これも、図書館が出来るあたりで印刷技術が向上したから作れたんだよね。だから俺の蔵書量もすごくなってきていて。
手帳も、あの時はもっと大きなノートのようなものだったけど。ポケットサイズになってるのは良いな。
あ、冒険者ガイドの内容が更新されてる。そりゃそうか…。
「この後どうするんだ?依頼を受けるのか?」
「今日は抜け出して来ただけだから、昼飯を食べて、こんな見習い兵士の服じゃなくて冒険者の装備をそろえてから、休みの日に依頼を受けるよ」
「そうだな。冒険者ギルドの隣の店も見たい」
「だろ」
「なるほどな。
俺は二人の活躍を期待しているぜ、これからよろしくな」
と、ギルマスは手袋を外して手を出してきたから、順番に握手を返す。
「「宜しくお願いします」」
「うむうむ」
コツコツコツ
女性の靴の音がして人が近づいてきた。
下を向いていた視界にフリルのスカートが入ってくる。
「ギルマスもうお話終わったでしょ?」
「ああ…キャマレラか。
お前らいつの間に飯を頼んだんだ?」
「ギルド証を貰う前」
「ちゃっかりしてるぜ」
「さあ!冒険者登録おめでとう!
ご注文のビーフピラフセットよ!そしてあたしからお祝いの柑橘エールよ」
「エール?」
「お酒じゃないから安心して!」
そう言って離れていった。
「でもちょっと刺激あるんだよ。美味しいよ!俺もめちゃくちゃ久しぶりだけどね」
「どれ」
「じゃあ、冒険者合格に乾杯!」
「乾杯!…ほんとだピリッとしてるけど柑橘の味がキリッとしてる」
「だろ!さて、ピラフを食べるか」
セットだからピラフの他にはキャベツの浅漬けサラダと牛骨スープが付いていた。
「旨っ!」
「だな、こんな肩ひじ張らない食事が本当に食べたかった!」
「そっか。分かるよ。自分も実家の食事より兵舎の飯の方が楽しいんだ。
どちらが美味しい かと言われれば即答できないけどさ」
辺境伯爵家も上位貴族だから、王家ほどでなくても、実家では気取った食事なんだろうな。
「だろ!うちの食事も皿の縁の面積ばっかりで、食べるところはこんなサイズだぜ」
と両手の人差し指と親指を繋げて小さな丸を作って見せる。
「わはは!わかるー!」
「俺達みたいな育ち盛りには物足りないんだよね」
「だな」
「こっそり厨房行って料理長にお願いするんだよね」
「リーンも大変なんだな」
「わかってくれるのはアズールぐらいなんじゃないかな。
今日は服も貸してもらったし、ギルドの登録も付き合ってもらっちゃって助かったよ」
「いやいや、こちらこそお役に立てて」
「もちろん、役に立つとかそんなどころじゃ無いよね。
これからも冒険者として外に出る時は対等の友達でいてよね」
「リーンがそう言うのなら」
「そう言うの!なにしろ又従兄なんてそもそも対等でしょ」
「えー……
わかったよ宜しくお願いするよ」
「よろしくお願いします」
ぺこり
「…頭を下げるとか…ないわー」
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