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かつて大賢者だった黒猫は王子に転生しても魔王ひとすじ  作者: 前野羊子


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12【剣と足技】

いつもお読みいただきありがとうございます!

このページでゆっくりしていってください~♪

 冒険者ギルドに登録できるのは8歳から。

 読み書きを教わるのが目的で仮登録をして、お手伝いの真似事をするもっと8歳未満もいるけど、その場合は大人で引退に近い冒険者に連れて行ってもらってそこで薬草や野草の採集などをしたりフィールドについての勉強もする。

 そのシステムは昔から変わっていない。

 

 なぜそんなことをするかというと、戦争孤児の救済のためだ。

 赤ん坊や幼児なら孤児院も受け入れるが、成熟が早かったり十歳近くになると、孤児院は馴染みにくい。なら早く自立を促してということだ。


 大昔は国の編成も整ってなくて戦争が多かったからね。

 冒険者リーンの時は結構落ち着いていたけど、国家間の小競り合いはあったよね。


 さて、ギルマスのアーノルドや受付嬢のセリシャと、一度一階に行くのかと思いきやそのまま二階の奥に連れていかれる。


 暫くすると歓声が聞こえてきて明るい所に出る。


 そこは階段状の客席に通じていて、その下が闘技場(アリーナ)のような訓練施設だった。


 座席に挟まれた階段を降りて、土の所に立つ。

 ちなみに観客席の上部だけぐるりと屋根があって。

 あ、鳥が横切った。アリーナは露天なんだね。

 今日は天気が良い。空が青いよ。


 端っこにはアズールが座り込んでいた。

 兵士の訓練の時よりボロボロになって。


「…よう、アズールお疲れ、どうだった?」

「はあはあはあ…

 あのおっさんはやばい。兵士たちより強敵かもしれん」

「でも、合格したんだろ?」

「ああ、だが新人にあれは無いぜ」


「A級のアズールがそんなにボロボロなんて…

 そんな登録って大変だったっけ?」


「いや、なかなか見どころがありそうだから、こっちもつい本気を出したんだよ。

 わるかったね」


 ガラガラ声がして振り向くと、大昔に南国の山で見たゴリラのような男が木刀を持って立っていた。


「ども、リーンです」

 アズールの相手をしていたはずの男は汗一つ流してない。


「スティーロだ。このギルドの訓練士をしているよ。

 魔術以外なら何でも相手してやる…」

 

 と、セリシャが渡した申込用紙を見ている。


「ふうん、お前さんも剣術A級か。

 アズールもそうらしいが、宮殿の基準も甘いもんになってるんだな」


「彼は実戦経験はまだないから」


「お前さんの方がなさそうだけど」


「そうですね、長い期間本気で戦ったことはないよ」


「じゃあ、今からやってみな。ほれ」


 とアズールの足下に転がっていた木刀を投げてきた。


 パシ


「わかりました」


 たしかにAランクよりはかなり強い。

 これは打ち所が悪ければ大けがをするよね。


≪身体強化…≫


 魔力を薄っすらと身体に纏わせる。

 全体的な筋力と反射神経、それに目や頭も冴えるんだよ。

 だから身体強化は計算とかの時も役に立つ。

 いつかお城の内勤の人に聞かれたら教えてあげたいよね。



二人でアリーナの真ん中にたどり着いたとたん、


「いくぜ!」

「はいっ」


 大きな体からは意外なほどの素早さでスティーロが突っ込んできた。


 ダダダダッ


 逃げるよね。


「こら逃げるな」

「逃げるのも大事なんでしょ」

「そうだが、今はそうじゃない」

「しょうがないなぁ」


 ぴたっと止まる。


「な…うぉー」


 しゃがむ。


「うぉっととぉー

 っらっ、ちゃんとやれぇ」


〔わはは!ひっかけられてやんの〕

〔スティーロのおっさんを見ろよ〕

〔坊や頑張れー〕

〔可愛いから応援しちゃう!〕


 二階の階段から応援が飛んできた。


「はーいがんばりまーす」

 お姉さん冒険者の席に向かって手を振る。


「よそ見するとは油断しすぎだぜ!」


 ダダダッ

 

 カーンカン カンッ

 バシバシ バシ バシッ


「うぉ、お前意外と強えな」

「ありがとうございます」


「A級以上あるんじゃねえのか?」

「そんなのあるんですか?」

「ああ、俺ぁ剣術はAだけどよ、体術は、Sだぜぇ」

「剣術や体術にもSもあるんですねっと、そろそろけりをつけようかな」

「…なんだと」


 ダッ


 いったん下がって、お互いの相手の隙を探り合うようにして…


 ザッ ≪スコップウインド≫ ボソッ


 足で空を蹴るようにしながら唱える。

 なにしろ、このタッパじゃ届かないから。

 足は魔法の杖替わり。


「え?なに?」


 ドテッ ドーン


 スティーロは上げた方の足を何かで引っ掛けて派手に転んだ。


 カキーン


 そのすきを逃さず自分の木刀で相手の木刀を絡めて跳ね飛ばす。


「やられた!」


 体が大きいとずっこけるのも衝撃だろうね。

 肉がごついから痛くないかもしれないけど。



〔うぉー〕

〔あのガキスゲー〕

〔スティーロの剣が!〕


 観客席が盛り上がる。


〔きゃーすごーい〕

〔かわいいー〕


 ちょっと、そこはカッコイイじゃないのか!


「決まったな。

 スティーロが新人の試験で土がついたのは、初めて見たんじゃねえか?」


 アーノルドの声がする。


「リーン、冒険者合格だ」

「はい。ありがとうございます。

 スティーロさんもありがとうございました」


「ああ…お前もしかして…」

「俺の事、詳しくはギルマスに聞いてくださいね」

「おいおい、俺はあまり知らねえぞ、前のリーンとかは」

「いいのいいの、知らなくて。

 俺の人生はこれからなんだから」


「そうだな、頑張れよ、新しいリーン」

「はい!」

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