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エンフェルミナ拐わる

 白い雪の降り積もる王国。

 ここは王都アウシュビット。

 その町外れ、雪の降る中銀色の光が輝いたかと思うと一人の少女が雪の上に降り立つ。

 雪の様に白い肌と髪の持ち主。周りの風景に溶けてしまいそうな彼女、ルルは辺りを見回すと満面の笑みを浮かべる。

「うわあああああああゆきだ~~」

 ルルはここに来た目的も忘れて降り積もった雪の中に飛び込み、ひとしきり堪能した後、今度は雪だるまを作り始める。

 街行く人の姿はまばらだがまったく無いわけではない。

 それでもルルは気にせずに巨大な雪だるまを作っていく。

「かんせ~~~い」

 ルルは自分が作った雪だるまのできばえに満足し、腰に手を当てて鼻を鳴らす。

 体長10m近くまでなったそれは街の離れた場所からでも見る事が出来た。

 目に当る部分には街のモニュメントの丸い岩を勝手に利用し、眉毛と鼻と口は近くに在った車を埋め込んだ。

 当然そんな目立つものを作れば人が人を呼ぶ。

 街中にそんなものを作り、交通の邪魔をすれば当然衛兵も飛んでくる。

「そこの君!何をしてるんだ、そんなものを作ってはダメだ!モニュメントも元に戻したまえ」

「え~~~なんで~~~」

 少女は雪だるまを褒めてもらえると思っていたのに、やってきた衛兵にそんなもの扱いされて少し憤る。

「わかったよ~どければいいんでしょ」

 衛兵が見守る中、少女は物凄い跳躍力を見せて巨大な雪だるまの頭の上に飛び乗る。

「たちあがれ~ゆきだるく~~~ん」

 彼女が命名した巨大な雪だるま「ゆきだるくん」は名前を呼ばれると、白く丸い体から白い足を6本生やし、立ち上がる。

 6本の蜘蛛のような足を生やしたゆきだるくん。

 立ち上がったその頭の上に立って見渡せば、街の端々まで眺めることが出来た。

 そこで彼女の目に付いたのは街中の至るところに設けられた巨大なツリー。

 黒い雲に覆われたこの王都では昼間でも暗い。

 輝くツリーに装飾された色とりどりの丸い飾りを目にし、ルルは大きな飴を連想する。

 そこであらためて自分の目的を思い出したルルは鼻をくんくん鳴らしたかと思うと、西の方向を指差し、ゆきだるくんに命じる。

「あっち!」

 周りの迷惑どころか街の被害も気にせず、ゆきだるくん一直線に目的地に向かい走り始める。

 その足元で右往左往する人々。

 衛兵は通信装置を取り出し、本部に緊急連絡で応援を要請する。

 建物を破壊しながら凄まじい勢いで走るゆきだるくんは目的の建物に迫る。

 目的の建物とはアベルの住まう屋敷。

 彼女は別にエンフェルミナの匂いを追ってきたわけでも、彼女の居場所を知っているわけでもない。

 ただ『神の直感』を働かせただけ。

 彼女は自分がすべきことを思い描いた時、それが当然に現実となる力を持っていた。

 彼女の前に於いて物理法則、時間、次元と言う観念が消え失せる。

広範囲に及ぶものではない。が、彼女の持つ力はこの世に存在するあらゆるものを凌駕りょうがしていた。


ヴヴヴヴ


 目的の屋敷に後チョットと言うところで、一つの影がゆきだるくんの足元に現れ、奇妙な音と共にその足の数本を破壊する。

 バランスを崩したゆきだるくん石畳の地面に倒れ伏し、雪のように崩れ落ちた。

「ゆきだるく~~ん!?」

 ルルは倒れる前に巨大な雪だるまの頭から飛び降り、崩れてしまったそれに向かって悲しそうに声を上げる。

 そしてゆきだるくんを壊した人物を振り返り、怒りの声を上げる。

「なんでルルのゆきだるくんをこわすの!」

 少女を見て戸惑う人影。それはアベルだった。

 エンフェルミナを狙うものが、まさか年端も行かない少女だとは思っていなかった彼は、ルルを見て戸惑う。

 剣を抜き構えるものの、自分にその少女を斬ることができるのか自問する。が、正直それは難しいと思う。

「君の方こそなんでエンフェルミナを狙う!」

「ん~とね。クリフおじさんからあめをもらえるの」

 一応話は通じてるとは思う。が、帰ってきた返答が「あめ」のためという

 冗談なのか?アベルは困惑する

 彼女がと起こしてきた街の被害は軽微なものではない。

 その上これから誘拐をしようという少女の返答が、「あめ」なるものをもらう為であるという。

 「あめ」というものが自分の想像するものではなく、どれほどと「貴重なもの」を指しているのかしらない。が、彼女の行為に正当性は認められない。

 これがアンブロシウスであったなら、すぐさまお菓子工場を買取り、用意して懐柔にかかっただろう。

 真面目なアベルは「あめ」をお菓子のそれであることを示すものではないと信じて疑わない。

 彼は彼女を睨みつけ、敵意を悟らせながら話し出す。

「ここは一歩も通さない!あきらめて帰るんだ!」

「え~ルルはおんなのこをつれてかえるんだよ。じゃましないでよ!」

 自分のことをルルと呼ぶ少女はアベルに向かって手を伸ばす。

 彼女はただそう願っただけ。それだけでアベルの体は宙に浮き、近くの建物に向かって凄まじい勢いで叩きつけられる。

 アベルの体はブロックの建物の壁を突き抜け、その中に転がり込む。

 通常人であれば死に至るその衝撃を受けても、口の端を切った程度でアベルは立ち上がる。

 ありえない鍛え方をしてくれた母に感謝と言ったところであろう。

『魔眼が発動しない!?』

 アベルは自分に何が起こったのか咄嗟に思考をめぐらせる。

 これまでであれば、危機を察知すると当然のように発動してきたその能力であった。

 それが少女の攻撃に対してはまったく反応しなかった。

 アベルは立ち上がりながら自分の意思で先読みの魔眼を発動する。

 アベルの瞳に筋の十字架が浮かび、彼女を見つめる。

 数刻先を見通す瞳。

 そうして自分が彼女に対して行なうありとあらゆるパターンを検証する。

「馬鹿な!?」

 アベルは見た。自分が取り得る行動の全てが彼女に通じない未来を。

 1対1の「攻防」に於いて取り得る策といってもそれ程多いものではない。

 それでも数百パターンは試してみたが、彼女の戦力を無力化することが出来る未来を見る事が出来ない。

 攻撃をされて戦闘体制を取るアベルは言葉での懐柔など考えもしない。

 彼自身が能力の限界を狭くしているのだが思いも着かないのでは行動しようが無い。

 アベルは戦い合う未来を見、そこで始めて目の前にいる少女の恐ろしさを知る。

 常識も何もあったものではない。

 自分が全力で戦い彼女の首を貫く未来までもを予測した。が、彼女は貫かれても平然とし、痛みを感じることも無く反撃してくる。そして自分が同じ目に合う未来。

『万時窮すか』

 アベルが苦悩し自己の考えに浸る中、彼女は悠然と目的地に向かって歩き始める。

「獣王術、『百獣の王』魔獣召喚!」

 そんな時、ルルという少女に向かって白い雪の狼が無数に現れ、襲い掛かる。

 彼が見る未来には無かった存在に少し驚きながらも、彼はそれが自分と同じ力を持つ妹達であるために納得する。

「手を貸さないんじゃなかったのか?」

 アベルは崩れた壁から外に出る。

 建物の屋根の上に立ち、黒い角の生えた狼のような魔獣を召喚した少女を見る。

 狼の耳を生やした妹、アビンクス。

 同じく金色の十字架を瞳に浮かべた彼女は、召喚した魔獣を人の耳に聞こえない領域の歌声で操る。

 アベルが見る新しい未来。

 しかし妹の召喚した魔獣でも通じる相手ではない。

 しばし足止めが出来る程度のようだ。

「アベル兄さんが不甲斐ないからですよ。もうあきらめちゃったの~?」

 彼女の横に立つもう一人の妹、ノーラロールが羅針盤を取り出しながらアベルを見下ろす。

「僕にどうしろというんだ!あの娘には僕の技や力が通じないんだぞ!」



 やけに屋敷の外が騒がしい。

 エンフェルミナは「昼ごはんだな~」と別のことを考えながら外に出る。

 おもしろいものが無いか捜しにいくという軽いノリであった。

『それにしてもナイチンもアンブロも何処にいるんだろ。こんなところまで来たけどいつになったら会えるのかニャ』

 彼女の本当の名はアーネ(アーネット)。

 姫の第二の人格であった。

 魂と言うより人格だけの存在だった彼女だが、大地の記憶の網に囚われ、幼い肉体を与えられた。

エンフェルミナという成長の過程を経て、知識的にはほぼ同年代の少女としての教養は身につけた。

しかし17歳を過ぎ、過去の記憶が戻ってきたあたりから根本的な性格は昔のそれに戻っていた。

「な~に~さわが~し~のだ」

 彼女が外に出ると目の前には黒い巨大な狼の群に襲われる白い髪の少女の姿。

 彼女は咄嗟に体が動いていた。

『縮地』

 姫が使う武術。

 彼女は当然の用に自分の技であるそれを使うことが出来る。

 白い髪の少女の腰に手を回し、抱きかかえながら離れた位置に転移の様に現れる。

「あ~ぶな~~~い」

 助けてから言うのでは順番が逆であるが気にしない。

 対象を見失う魔獣たち。が、すぐさま離れた位置にそれを見つけ出して襲い来る魔獣。

 エンフェルミナは再び考えもせずに亜空間に手を入れ、一本の刀を取り出す。

 自分の手にあるべき刀。

 それが欲しいと願った時、自然と体が動く。


魔剣『黒雪』


 アーネットの作り出した亜空間を彼女は自分のものの様に扱う。。

 そして体が自然と動いていた。


チチチチチチチ


 巨大な魔獣がその躍動ある動きを止め、空中に静止する。

 襲い来る全てが四肢と首を分断されて落ちた。

「だ~いじょ~~ぶ?」

「うんへいきだよ、おねえちゃん」

 ルルはエンフェルミナの後ろでモジモジしながら彼女に微笑みかける。

 しかしその微笑みは彼女が目標の人物であることを認識した時、別なものに変貌する。

 その目は赤く光りながら深遠のように暗く。

 微笑みは死神のような薄気味悪いものとなる。

「おねえちゃん。あのね~ひとつおねがいがあるんだ」

「な~に~?」

「ルルといっしょにきてほしいの。ユダがね、そうするとルルにあめをくれるんだ」

 彼女は左手をエンフェルミナに伸ばす。

 


 背筋に凄まじい悪寒が走り、エンフェルミナは無意識に彼女の伸ばされた手を切り裂いてしまっていた。

「ひどいな~~~おね~ちゃ~~~~」

 不気味な気配が世界を歪ませ、伸ばしてもいない彼女の言葉の語尾が伸びて聴こえる。

 縦二つに分かれてしまった彼女の左腕から銀色の血が飛び散る。

 だがその血は空中で止まり、裂けた腕がさらに八本に分かれ、触手のように伸びてエンフェルミナに襲い掛かる。


チチチチ


 悪寒が消えるどころか益々酷くなる。

 エンフェルミナは冷や汗を流しながら全てを切り落とそうと斬撃を繰り出す。

 しかし先程切れたはずのその腕に、今まったく刃が通らず、包み込むように伸びた触手が彼女を取り囲む。

 そして丸いおりの様になったそれの隙間に、彼女の銀色の血が幕の様に張り巡らされ、エンフェルミナは裂けたルルの左腕の中に閉じ込められてしまう。


「エンフェルミナ!?」

 アベルは叫ぶ。

 僅か数秒のことだが、この出来事を予測できなかったわけではない。

 しかしアベルが何をしようとも結果は同じ。

 彼女は捕まってしまう。

 このままでは連れ去られてしまう。

 しかし助けることが出来ない未来しか見えない。

 そうこうしている内にどんどんと状況は悪化していく。

 動かない内にも時は過ぎ、過去を変えることも戻ることもできないアベルは、下手に未来が見えてしまう能力のため、逆に二の足を踏んでしまっていた。

「ノーラ!お前の占いで最善策を捜してくれ!僕自身が思いついて取る行動パターンでは彼女を倒せないんだ!」

 アベルの未来予測は自分自身の行動パターンに限定される。

 父の様に経験を積み、巨大な魔法を操る男が取るような千差万別な行動が出来ない分、予測できる未来が限られてしまう。

「ハアッ、あのね~昔っからあんたはごちゃごちゃうるさいのよ!それにさっきは黙ってたけど偉そうに妹々って、数ヶ月しか変らないでしょうが!バカアニキ!また昔みたいに女の子の服着させていぢめるわよ!」

「そうだそうだ~」

 ノーラロールの言葉に合いの手を入れるアビンクス。

「アーネット母様も言ってたわよ。アベルはお父様に似て考えすぎだって、だからイ○ポなのよってね!」

「そうだそうだ~」


プチッ


 妹二人になじられ、母が自分に言うはずもないような悪口をまるで本当に言ったかのように言われ、行き詰っていたアベルの頭の中で何かが切れるような音がする。

 そうして彼の肩が震え始める。

「誰がイ○ポだ!」

 怒りの雄たけびと共に、アベルは体中から青い電気を帯びた魔力を発する。

 四方八方に落雷となって放たれたそれは妹達の体に襲い掛かる。

 それは普通人であれば気絶し、下手をすれば死に至るほどの電流であった。

 しかし人より頑丈な獣人と竜神の上、その種族にあってもぬきんでて頑丈な体に生まれついた妹たち 二人は、その程度の電撃ではマッサージを受けた程度にしか感じない。

 むしろ嬉々としてそれをかわさずに浴びている。

 二人はまるで本当の双子であるかのようにシンパシーを共有し、さらに自然と心で念話する。

『これよこれ~、く~気持ちいい~~』

『むかしっからアベル怒らせて、これでよく遊んでたもんね~♪』

『そうそう。大きくなってからはなかなか怒らないし、アベルが行ってしまってからこれが無くてウズウズしてたのよね~♪』

『ロールお姉さま~。わたし濡れてきちゃった~』

『アビンクス。流石にそのセリフははしたないわよ』

『別に誰に聞かれるわけでもないですし、いいじゃないですか~』

『いいけど、でもあなた顔と声に出てるわよ』

 ノーラロールも人のことは言えないとしながらも顔を赤らめる程度だが、素直なアビンクスは恍惚とした顔に瞳を潤ませ、あまつさえあえぎ声を出してしまっていた。

 そんな馬鹿な彼女らの態度にもまったく気が着くことも無く、アベルは完全にぶち切れていた。

 その目に十字架は浮かんでいない。

 切れたアベルはゴチャゴチャと見える未来を鬱陶しく感じて能力を解除していた。

「ああ、分かったよ。やってやるぜ!」

 心なしか口調も変ったアベルは無策でルルに向かって抜刀し、走り始める。

 作戦は「無策!」であった。


『でられない!?』

 エンフェルミナは焦っていた。

 中からどんなに斬りつけてもルルという少女の体で作られた檻を破ることが出来ない。

 その上どんなところにも出入りできるはずの能力も使えない。

 あまつさえ刀を納めるための亜空間すら開かない状況であった。

「ん~」

 理由を考えるが全然思いつかない。

 これがアンブロシウスならばいろいろな事を模索していたのかも知れないが、もともとアーネは難しい事を考えるのが苦手であった。

「むだだよ、おねえちゃん。ルルはせかいのルールだからルルなんだよ。ユダがそういってたもん。それにこれは“はちもんなんとか“っていってどこまでいってもでられないよ」

 八本に分かれた腕の檻のことを言っているのだろう。

 彼女が言いたいのは『八門遁甲』。

 出口の無いメビウスの輪のような空間を言いたかった。


 ルルの血が薄い銀色の皮膜の様になった部分からアベルがこちらに向かって剣を抜いて走ってくる姿が見える。

 そうして彼女は初めてアベルがここに帰って来ていて、助けに来てくれたことに気が付く。


『電光石火』


 青い雷を全身に纏い、抜き放った剣でルルに斬りかかる。

 彼女自身が硬いのか、それとも着ている服が金剛石ダイヤモンドででも出来ているのか彼のやいばは通らない。

 それでも彼は斬撃を繰り返す。

 神力を持つものがこの場にいたのならば、彼女の体を覆うように六本の腕を持つ巨大な女神像を見る事が出来たかもしれない。


 一度でダメなら二度、二度でダメなら百度と繰り返していくうちに、彼の剣先は音速を超え、一つの光となってルルの全身を切り裂こうとする。

 しかし傷一つつけられない。

「じゃまだよ」

 ルルは鬱陶しく感じ始め、目的を果たして代える為に目の前にいる男を処分しようとする。

 しかしそう考えた時、突然にある男の顔が頭に思い描かれ躊躇する。

 この場にはいない白い髪の男。

 目の前にいる男を殺そうと思うたびにその顔が頭に浮かび、彼女を躊躇させる。

 そして彼女の「神の直感」が感じる。

『恐怖』

 もし目の前にいる男を殺したならば大変な事になる。

 ルルは生まれて初めて味わうそれに手足がすくむのを感じる

「う~~」

 涙を浮かべながら彼女はうずくまる。

 「自分の攻撃が効いたのか?」と勘違いし、幼い少女を泣かせてしまったとアベルはその手を止める。

 一瞬の油断。

 彼は彼女と目が合い、次の瞬間再び近くに在った建物に吹き飛ばされてしまう。

 彼が建物から這い出してきたとき、すでに白い髪の少女ルルの姿は何処にもなかった。

「しまった!?」

 そう思っても後の祭り。

 後ろから足音がする。

 振り返ると二人の妹がそこにはいた。

「安心しなさいバカアニキ。厳正に対処せよ、とは占いで出たけど助けろなんて一言ひとことも言ってないわよ?そもそも彼女フエルには死相なんてまったく出てなかったしね」

 そうアベルに告げるノーラロール。

「え?そうなの?じゃあこれでいいのか?」

「さあ?私の力はあくまで“占い”であって、こうすればいいといった直接行動を示すものではないから……」

 アベルは自分の行動がルルにどのような結果を与えたのか知らない。

 分からないまでも妹の占いに従って間違ったことは無いので溜め息をつきながらも剣を収める。

「しかしあんな力を持つものと次に対峙したら僕はどうすればいいんだろう?」

「さあ?でも彼女の世界を歪ませる能力はパパの「絶対王ヴァーチャ空間ロード」の半径二キロと違って、五百メートル程だから、それ以上の距離からの認識できない攻撃ならなんとかなるんじゃないかな?まあ殺すのは難しいとしても……」

「おまえ……そこまで分かってるなら言えよ!それならそれでいくつか方法があったのに!」

「だ~か~ら!誰に向かってそんな口を利いてるのよ!このバカアニキ!」

「そうだそうだ~」

「どうやら私達から離れた数年で忘れたようね。思い出させてあげるわ」

「待て待て!ごめんなさい!謝ります!」

 アベルは後ずさり始める。

 敵であればその武力を持って叩きのめすところだが、こと妹達とあってはそうもいかない。

 手を上げたらそれこそどんな報復が待っているか、考えただけでも血の気が引いてくる。

 もともと真面目で優しい性格のアベルは妹達にはまったく勝てないでいた。

 いままでも、そしてこれからも……。

 今回はかなり大変でした。

 冬は暖房器具を多くつけるので、書いているときに娘がドライヤーを使っただけでブレーカーが飛び、書いている文章が全て消える。

「ギャーーー保存してなかったのに~~」

 しばらく書く気になれず、また書いても同じ文章にならずに悪戦苦闘。

 そして昨日は忘年会。

 朝から頭が痛いながらも書こうとするがパソコンがメルトダウン。

「なんで立たちあがらないんだよ!?」

 10回程悪戦苦闘の末なんとかパソコンが起きる。

 どうやらウォークマンを付けて電源を切り、取り外し、そのまま起こした為にプライマリースレイブエラーを起こした模様。

 たかだか音楽機器をハード選択エラーするなよな~、もう。

 というわけで遅くなりました。

 次回はアンブロシウスの話に戻ります。


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