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戦闘の合間の会話

「で?ご主人様はいかないのかニャ?」


 俺はおもわず噴出してしまう。『ご主人様だ!?』


「あ~アリス君。何を期待しているのかね?」


「べっつに~、颯爽と二人の間に立ち、その後に3人でのおもしろおかしい会話、そしてご主人様がチョロチョロ邪魔をして足を引っ張る姿なんて期待してないわよ~」


 キラキラと輝く瞳が俺を見つめる。眩しい……。


「いいかい、アリス君。笑いの神はね、あんな超が付くくらいの危険地帯ではなく、1歩下がった、そう、丁度今いるこのような場所に降りてくるものなんだよ」


「そうなの?」


「そうだ」


 俺は頷く。


「それにね、俺はきちんとした役目を持ってここにいるんだ」


「なになに?」


「退路を確保してるんだよ。いくら彼らが強くても戦いでは何が起こるか解らない。イザというときに逃げ道を確保しとかないとね」


 アリスはぐるりと四方を見渡す。


 今いる神殿は正面にある階段以外切り立った崖のような場所に建っている建物。


 所謂いわゆるどん詰まりだ。


「先生~。質問があります」


「はい、アリス君」


「逃げ場が見当たりません!」


「いいかい、アリス君。俺のじいさんが言っていた」


 俺は指を天に伸ばす。


「『人は善行を積むと空に、悪行を積むと地底にいけるんだよ』ってね。だから普段から行いの良い俺達は空に逃げれば良いのさ」


 アリスは上を向く。


 ここは地下都市。一面に広がる剥き出しの岩肌。


「先生~大変です!空が見当たりません、ここは地底です!どうしましょう!」


 困った子だ。ポンとアリスの肩に手を置く


「いいかいアリス君。何でもかんでも先生に答えを求めちゃ人間成長しないんだよ。時には自分で解決策を考えないと」


「私人間じゃなく精霊で~す」


「コホン、そうだったね。それでは仕方ない。実は我に秘策あり。我らにはドワーフのじいさんがついてるじゃないか」


「儂!?」


 突然振られてビクッとなって自分を指差すじいさん。


「いいかいアリス君。ドワーフって言うのはね。穴を掘るのが得意なんだ。彼がイザというときに脱出路をほってくれる」


「はい!先生質問です!」


「なんだね?」


 アリスは神殿の床を叩く。


「ドワーフさんって大理石の石畳に穴を掘れるものなんですか?」


「じいさんなら掘れるさ」


「掘れるわけあるか!」


「何?掘れないと?じゃあ何のためにここまで着いてきたんだ?」


「坊主てめ!俺が穴掘りのために着いてきたと?」


「当たり前じゃないか。ここは地下、もし地震で崩れでもしたら穴を掘る能力に長けたものが必要。その為のじいさんじゃないか!

 だいたいドワーフって言うのはモグラの上位種になんだから穴掘らなきゃ何を掘るんだ?墓穴か?」


「おい坊主。今さらりととんでもなくドワーフを侮辱したな?良い度胸だ小童が!表に出ろ!!」


「あ~ら聞きましたアリスさん。この地下五階層で表に出ろですって。地上まで穴でも掘ってくれるのかしらね」


「さあ?ところでドワーフさんってああいう斧で穴を掘るの?」



 てなことを言っている内に戦闘は終わっていました。


 当然姫とおっさんの圧勝です。


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