ごおさんとおの前2
引き続き、ごおさんとおの前について。
国鉄の特急停車駅が多岐にわたることは以前に書いた。ごおさんとおの前、それはもっと激しかった。
東北本線の宇都宮駅は、栃木県の県庁所在都市の中心駅で、ごおさんとおのダイヤでは、昼間の定期特急はすべて停車する。客車列車の臨時特急「つばさ51号」「つばさ52号」が上野ー黒磯間をノンストップで駆け抜けたのが唯一の例外であった。
しかし、ごおさんとおの前、宇都宮に停まらない特急はそこそこあった。
上野ー仙台間のエル特急「ひばり」は全13往復のうち、半数近くの6往復が宇都宮を通り過ぎる。上野ー盛岡間の特急「やまびこ」は5往復のうち、3往復が通過する。上野ー青森間の特急「はつかり」は5往復のうち、2往復が通過する。上野ー山形間の特急「やまばと」は3往復のうち、1往復が通過する。上野ー秋田間の特急「つばさ」は2往復のうち、1往復が通過する。ざっと特急の半数が宇都宮を通過する格好だ。
ごおさんとおによって、東北本線の特急はスピードダウンが顕著であったが、こと宇都宮に関しては利用機会が増えるダイヤ「改正」であったことになる。
高崎線の高崎駅は、群馬県の中心駅である。ごおさんとおのダイヤでは、昼間の特急は例外なく停車する。
しかし、ごおさんとおの前、上野ー新潟間のエル特急「とき」は全13往復のうち、下り4本、上り5本が高崎を通り過ぎた。
宇都宮と違って、「とき」以外に停車しない特急はなかったけれども、ほとんどが停車するのに、中には停車しない列車があるのは、慌てて飛び乗ったお客からすれば、迷惑な話だったことだろう。
停車駅に関して、以前に宗谷本線には不思議な急行停車駅があると述べた。
佐久駅である。
上り急行「宗谷」だけが例外的に停車する。
ところが、ごおさんとおの前ダイヤでは、上り「宗谷」は佐久に停車しない。佐久で交換する下り急行「礼文」とは、上りのひとつ手前の急行停車駅、天塩中川で交換する。
そのため、上り「宗谷」の稚内発は7時25分で、ごおさんとおダイヤの7時5分発より20分も遅い。それでいて終着の函館には、ほぼ同一時刻に到着するので、急行列車、それも稚内ー函館を直通する、宗谷本線を代表する急行列車としては、ごおさんとおダイヤは改悪以外のなにものでもなかったことになる。
ごおさんとおダイヤでは、天塩中川で下り急行「礼文」と交換するのは、稚内6時9分発338Dである。後発の上り急行「宗谷」を待って、これを先行させてから天塩中川を9時8分に出る。この列車、ごおさんとおの前ダイヤでは8時40分に天塩中川を出る。急行「宗谷」を待たず、音威子府まで先行する。佐久で下り急行「礼文」と交換する。
つまり、ごおさんとおダイヤでは急行「宗谷」が佐久で、338Dが天塩中川で、下り急行「礼文」と交換していたのが、ごおさんとお前のダイヤでは逆であったわけだ。
なぜ「宗谷」は稚内を早発してまで、338Dを天塩中川で追い抜くダイヤに変更したのか、よくわからない。急行「宗谷」より338Dにそうさせる理由があったと見るべきなのであろう。
ごおさんとおダイヤでは、食堂車の営業が縮小された。その前のダイヤでは、「あいづ」「はくたか」「くろしお」でも食堂営業されていたが、時刻表昭和53年9月号では、食堂営業する列車は、それら定期列車に留まらない。
東北本線の特急「はつかり」は定期列車の5往復の他に、1往復の臨時列車があった。「はつかり51号」である。この列車、臨時列車ではあるが、「つばさ51号」のような客車列車ではない。下りは上野11時30分発、青森20時1分着。上りは青森10時15分発、上野18時50分着。定期列車と何ら遜色ない。この「はつかり51号」には、定期列車同様に食堂営業が行われていた。
北海道では、根室本線に「おおぞら51号」が運転されている。札幌6時55分発、釧路12時52分着。途中、岩見沢、滝川、富良野、帯広、池田に停車する。函館発23時40分発の夜行急行「すずらん4号」の札幌着が6時8分なので、その接続列車の位置づけであろう。
定期列車の「おおぞら1号」が札幌8時55分発、釧路14時52分着だから、この「おおぞら51号」と到達時間は変わらない。そして、この臨時列車にも食堂は営業していた。
ひとつ不思議なことがある。上りの臨時列車がない。釧路まで至った車両は、その後どうやって札幌まで回送されていたのであろう。
石北本線にも臨時の特急列車が運転されていた。
こちらは山線経由、函館ー旭川間の定期列車「北海」が、網走まで延長運転された。下りは旭川11時10分発、網走15時16分着。上りは網走13時30分発、旭川17時31分着。定期列車の「オホーツク」が下り旭川発8時49分発、網走12時42分着、上り網走16時30分発、旭川20時27分着、「おおとり」が下り旭川17時51分発、網走21時49分着、上り網走9時5分発、旭川12時57分着なので、到達時間に遜色ない。
特急「北海」は普通に食堂営業していたが、延長区間においても、延長営業していた。
食堂車で食事を楽しむ機会がほぼ失われた令和の今、これら臨時列車にさえ食堂車が連結され、営業していたことは感動的でさえある。
しかし、ごおさんとおで、食事車が外された特急「あいづ」の場合、下りは上野14時4分発、会津若松17時39分着で、食事の時間帯にかかっていない。東北本線のエル特急「ひばり」や北陸本線のエル特急「雷鳥」のように、運転時間が4時間程度の場合、食事の時間帯にかからない列車はそこそこあった。採算面ではなかなか厳しい列車も少なくなかったと思われる。




