58.想い描く未来へ(夕陽が赤く染める糸編)
ザザァァァ……ザザァァァ……(波音が響く砂浜に百合子&愛美、寄り添って座りっ)
「なんか、不思議……さっきまでは友達として夕陽を見てたのに、今は恋人として見てるなんてーー(愛美、ウットリ)」
こ、恋人……(照れっ)
まさか、アタシたちが両想いだったなんて今でも信じられない……。
「ねえ……百合ちゃん」
「はは、はいっ⁉︎ な、なに……?」
「いつから好きでいてくれたの? 私のことーー」
えっ⁉︎
い、いや、直球な質問だな(汗っ)
……まあ。
今さら隠す必要もないから、正直に言うけど。
「は、初めてお前に逢った、あの日から……」
「えっ……?」
「ずっと……ずっと、大好きだった」
「……そう、なんだ…………嬉しいーー」
ピトッ♡(愛美、嬉し涙を浮かべながら百合子の肩に頭を預けっ)
はうぅっっっ⁉︎
まっ、愛美の頭が、アタシの肩に……!
そそそ、そんなのっ、心臓がバクバクしすぎて破裂しそうなんですけどっ!
……で、でも。
こっちも、訊いてみたいかも。
いつからアタシを好きでいてくれたのかーー。
「そそそ、そっ、そっちは、どっ、どうなんだよ?」
「えっ?」
「い、いつから……その、アタシのこと……す、好きだったん……ですか⁉︎(照れすぎて敬語っ)」
「ふふ……私も、初めて出逢った日から頭の中は百合ちゃんでイッパイだったよ。でも……それが恋に変わったのは、次の日だったかなーー」
出逢ってから次の日……。
ってことは、入学式の2日後か(※第2話参照)
「風邪の病み上がりで咳やクシャミをしてた私に、百合ちゃんは『保健室に連れて行ってやる』って言ってくれたでしょ?」
「あ、ああ……そうだったっけ」
「あの瞬間、私の中で胸の鼓動の音が変わったの」
「胸の……鼓動の音?」
「うん。これから仲良くなれるかな……っていう『ドキドキ』から、こんな私にそんな優しさをくれるんだ……っていう『キュンキュン』にーー」
キュン、キュン……。
アタシなんかで、そんな音が鳴るの……?(恐縮っ)
「そのキュンキュンにカラダ中を支配された時に気づいたの。ああ……もう、友達として仲良くなりたいなんて感覚じゃない。私は、百合ちゃんに恋をしてしまったんだ……って」
こ、恋……。
アタシに、恋ーー(百合子も胸がキュンキュンッ⭐︎)
「それからはもう、百合ちゃんを独占したい気持ちしかなかった。私以外の人に優しくしてほしくない。私以外の人を、見てほしくないーー。物静かに本を読んでるフリして、実は毎日そんなことばかり考えてたんだ(愛美、イタズラっぽく笑っ)」
うぅっ!(ドッキリーンッ⭐︎)
そのセリフからの、その笑顔……。
ちょっと、反則すぎっ……。
「だから、百合ちゃんに近づいてくる人がいたら気が気じゃなかった。まあ……B組の開花さんのことなんだけどね」
うぐっ!
ひ、開花 美輝っ!(※第32〜33、36、39〜40、47話参照)
「普段、百合ちゃんが話す人は私だけなのに、開花さんはチョイチョイ可愛さアピール全開で百合ちゃんに迫ってくるから……私もつい、メラメラ嫉妬心を燃やすのを止められなくて(苦笑っ)」
あ、あぁ〜……なるほど。
開花美輝と話してる時、いつも愛美が機嫌がわるい理由ってそれだったのか……納得(汗っ)
つーか。
そこまで嫉妬心を燃やしてくれるとか、逆に嬉しかったり……(ニヤッ)
……いや。
嬉しいよりも。
感謝のほうが大きいかもしれない。
だって。
アタシが学校最強のヤンキーとして恐れられていることを知っても、愛美はまた一緒に昼メシを食べてくれた(※第8話参照)。
それからも離れていくことなく、ずっと隣りにいてくれたんだからーー。
「こんなアタシを独占したいだなんて……なんか、ありがたすぎて恐縮だな」
「っ……どうして?」
「そりゃあ……周りが勝手に言ってるとはいえ、アタシは学校最強のヤンキーだぜ? そんなコワモテでとっつきにくいヤツを独占したいだなんて、感謝しかねえよ」
「ふふ……感謝だなんて、大げさなんだら」
「え……?」
「確かに、藍川さんから話を聞いた時はビックリした。でも、そんなので百合ちゃんへのLOVEが壊れたりなんかしないよ。むしろ、ライバルがいなくなって好都合だったぐらい(ニコッ)」
うぅっ……。
な、なんか照れくさくて背中がムズムズする。
「振り返ると、色んな所に行ったよね。花火大会(※第14〜17話参照)に遊園地(※第19〜21話参照)、クリスマスイルミネーション(※第39〜40話参照)に初詣(※第41話参照)……どれも、忘れられない思い出ばかり」
「そうだな……」
「でも、私はやっぱり今回のデートが1番だな」
「……なんで?」
「だって……初めて百合ちゃんから誘ってくれたデートだもん。格別に決まってるじゃん」
「そ、それこそ大げさだろ?」
「そんなことないよ。恋人同士になれたことも含めて、今日という日はずっと特別ーー」
ふ、ふみゅうぅぅ……。
ゲーセンでカッコわるい姿ばっか見せちまったのに、ありがたいお言葉ですぅ……(感涙っ)
「……これ、やっぱり買ってよかった」
「えっ?」
ピッーー(愛美、カバンからお守りを取り出しっ)
「そ、それって……」
「百合ちゃんと初詣へ行った時に買った、恋愛成就のお守りだよ」
「……確か、そのお守りを買った時に好きなヤツがいるって言ってたよな?」
「うん、もちろん百合ちゃんのことだよ」
「そうだったのか、アタシはてっきりほかのヤツのことかと……」
「もしかして、気が気じゃなかった?」
「う、うるせえ!(照れっ)」
「ふふ……あの時、私たちすでに両想いだったんだね。でも……こうして恋人同士になれたのは、やっぱりこの恋守りのおかげだと思うーー(愛美、胸に当てた両手の中でお守りをギュッ)
「……そうだな」
「1番の憧れだった海でのデート……恋人同士としては叶いそうにもないと思った。だから、せめて友達としてでイイから一緒に来たいと思って無理やり誘ったの。それも……キット、この恋守りが後押しをしてくれたんだーー」
ビュウゥゥゥッーー(強い海風が吹きっ)
「うっ……!」
「キャッ……!」
す、すんげえ風だなっ。
愛美のカラダが冷えねえ内に、そろそろ帰ったほうがイイかも。
「イタタッ……」
「ど、どうした?」
「うん……ちょっと、砂が目に」
「だ、大丈夫か⁉︎(百合子、愛美の左頬に右手を当てて目をのぞき込みっ)」
「あ…………⁉︎」
「えっ? はっ…………!」
ジ、ィッーーーー(百合子&愛美、超絶至近距離で固まるように見つめ合いっ)
「っっっ…………」
「っっっ…………」
ドキ……ドキ……。
ドキ、ドキ、ドキッ、ドキッ、ドキッ!
ドキッ! ドキッ! ドキッ! ドキッ! ドキッッッーー!!!(百合子&愛美、互いの吐息を交じり合わせながら胸の高鳴り最高潮っっっ!!!)
スッ…………(愛美、潤んだ目を閉じっ)」
「っっっーーーー!!!」
えっ……⁉︎
ちょ、ちょっと……。
待ってーー!
こ、これって……。
これって!
キ、キッ……キッ…………キッーー!!!(百合子の心臓、超絶バクバクバクバクバクバクッッッ!!!)
「ダ、ダ……ダッ…………!」
「…………?(愛美、不思議に思いながらも引き続き百合子待ちっ)」
「ダメだあぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!」
「っっっーー⁉︎(愛美、ビクウンッと目を開けっ)」
シー、ンッーーーー。
ザザァァァ……ザザァァァ……(沈黙をかき消すように波音が響きっ)
「そ、その……そういうのは、キチンと、順を追って、というか……なんと、いうか……(百合子、真っ赤な顔で声ふるえっ)」
「っ…………」
だ、だって……。
そんな、イキナリ……。
心の、準備が……!
「はぁ……もぅ」
「えっ……?」
「ここでしなくて……いつするの?」
「あっ⁉︎ いや、それは、その……!(焦っ)」
「ふふ……でも、そういう真面目な所も大好きだよ」
「ゔっっっ……」
「こんな最高のタイミングを逃したんだから、今度はちゃんと百合ちゃんからキッカケつくってね? 私たちの……ファーストキスーー(愛美、再び頬を赤く染めて百合子の肩に頭を預けっ)」
ふっ、ふぎゅうっっっ!(ドッキリーンッ⭐︎)
はあぁぁぁ……。
情けない。
いつもなら、なにがあっても動じないクセに。
こんな時に限って勇気が出ないなんて。
ホント、自分がイヤになる(泣っ)
……でも。
そんなアタシのことを、愛美は好きでいてくれる。
だから……全力でその気持ちに応えなきゃイケナイ。
少しずつかもしれないけど。
絶対、愛美にとって相応しいヤツになるから。
世界中の誰よりも、幸せにするから。
……だから。
これからもずっと、隣りにいてくださいーー。
「…………はいーー」
夕陽が見守る中、運命の糸を赤く染めた2人。
そして、目の前に到来する2年生への階段ーー。
物語は、いよいよ最終局面へ……!(これにて想い描く未来へ編、完結♪)




