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アタシの愛美に手を出すな!〜百合子が初恋した話〜  作者: 碧木美月


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53/60

53.想い描く未来へ(涙味のマシュマロ編)



「じゃあ、次はなにやろっか?」

「そうだな……とりあえず、ブラッと見て回るか」




う〜む。

どれにすっかな。


ガンシューティングにレーシングゲーム。

いずれも、結果は惨敗だった。






……おそらくだが。






ここまでの感触だと、アタシは『画面を見ながらやる系』のゲームにセンスがないとみる。



ホントなら。



次は、太鼓を叩くヤツを愛美とキャッキャッ言いながらやりたかった。



でも。



全然リズムがとれなくて、ズタボロになってる未来が瞬で浮かんでくる(汗っ)


なので、ここはいったん『画面を見ながらやる系』のゲームから離れてみよう。



と、なれば……。



おっ。

コレなんかどうだ?



「な、なあ」

「ん?」

「コレ、取れやすそうだぞ。やってみるか?」

「わあ、お菓子をすくって落とすゲームだね。うん、やってみよ!」



よし、愛美のノリも好感触だ!


それに。

今の時点で台座にはお菓子がてんこ盛り。


これは、たくさんゲットして愛美にプレゼントできることけ合いだ!


100円で5回か。

よぉし、いっちょイイトコ見せるぞ〜!






チャリーンッ(百合子、100円を投入っ)






「がんばってね、百合ちゃん!」

「お、おうっ」



ふきゅうぅぅ〜ん⭐︎

愛美から応援してもらっちゃったよ〜!



そ、そんなの……。

そんなの、嬉しくて、もうっ……!











バハァァァーニングッッッッッッ!!!(※注 要するに、嬉しいということです)











お、おっと。

落ち着けアタシ。


今は、お菓子をいっぱいすくうことに集中するんだ。




……むむっ、ここだ!(ボタンをポチッ)








ウィィィン、サクッ。








よし、たくさんすくい上げたぞ!

あとはコイツを台座の上に投下すれば……(ボタンをポチッ)








ウィィィン……ポロポロポロッ。








え。



待って。




…………。




なに? これ。



投下したお菓子が。



台座に乗ってるお菓子にハジかれて、全部下に落っこちたんですけど。




…………。




ど、どういうことっ⁉︎(百合子、混乱っ)






「あぁ……惜しい! けっこうすくったのにね」

「お、おう……」

「がんばって! まだ4回できるよっ(両手を胸の前でグッと握り、エンジェルエールっ♡)」






ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)




ーーその後、百合子が昇天したのは言うまでもない。











……って。











だから、ダメダメダメダメダメェェェ〜!!!



愛美がお菓子ゲットを待ってるのに、昇天してる場合じゃねえだろっっっ!



よ、よし。

気を取り直して2回目いくぜ!



……むむむっ、ここだ!(ボタンをポチッ)






ウィィィン、サクッ。






うむ、マズマズすくい上げたぞ!

今度こそ、お菓子をゲットだぜ!(ボタンをポチッ)








ウィィィン……ポロポロポロッ(投下したお菓子、全部ハジかれて下に落ちっ)








え。



待って。




…………。




さっきと、まったく同じ光景がそこに。






…………。






ななっ、なんでぇぇぇっっっ⁉︎




「うぅ〜ん、惜しいなぁ。もしかしたら、投下する位置を変えた方がイイのかも?」

「い、位置?」

「ほら、上の台座が1番手前まで動くと機械本体との間にちょっとスキマができるでしょ?」

「あぁ……確かに」

「そこを狙って投下するのはどうかな? そうすれば、上の台座に乗ってるお菓子が下の台座に押し出されて……」

「……下の台座のお菓子もまた、押し出される」

「そう、名付けて『押し出して⭐︎押し出され大作戦』だよ!(※注 愛美は、ビックリするほどネーミングセンスがなかった!)」




お、押し出して⭐︎押し出され大作戦っ⁉︎



いや、それは、チョット……。









ナイスひらめきだぜ、愛美ぃぃぃ〜!(※注 愛する女の言葉は全部ハナマル100点。それが百合子です)









本来なら、愛美にアドバイスをもらってる場合なんかじゃない。



でも。



たくさんお菓子をゲットできるなら、ここは素直に受け入れるべきだ!


おっしゃあ、そうと決まればヤッてやるぜ!(ボタンをポチッ)






ウィィィン、サクッ。






うっし、たくさんすくったぞ!

そしたらスキマを狙ってお菓子を投下だ!






……って。






あれ?


待って。






スキマっつっても。


これ……。






台座の可動範囲がチョコっとすぎて、スキマをピンポイントで狙えないんですけどぉぉぉ⁉︎



おいおいおいっ、チョットどうなってんだ⁉︎

メーカーさんよぉっっっ!(※注 レーシングゲームに引き続き、難クセをつける百合子をでてやってください)



くそ……!


とりあえず、台座が1番手前に出てきた瞬間を狙ってみるしかない!(ボタンをポチッ)






ウィィィン……ポロポロポロッ(投下したお菓子、1つもスキマに入らず全部ハジかれっ)





「あぁ……ダメかぁ」

「っっっ……(百合子、プルプルッ)」

「あ、あれ? 百合ちゃん……?(汗っ)」




……お、怒るな、アタシ。

まだチャンスは2回ある。


さすがに、そろそろ大量ゲットの確変モードに突入するはずだろ……!(怒りのあまり、テキトーにボタンをポチッ)



「あっ! 百合ちゃん、そこは……!」






ウィィィン、スカッ(お菓子、1個もすくえずっ)






「あぁっ!(愛美、思わず両手を口に当てっ)」

「…………ふふっ(百合子、謎の笑いっ)」

「えっ?」











ダァァァンッッッーー!(百合子、超絶お怒りモードでラスト5回目のボタンを叩きつけっ!)











「はふぅぅぅんっっっっっっ⁉︎(愛美、ビクウッ)」






ウィィィン、スカッ(お菓子、また1個もすくえずっ)





「っっっ……!(百合子、鬼の形相でプルプルッ)」

「は、はわわわわぁ……!(愛美、オロオロッ)」

「…………(百合子、ニヤッ)」

「え?」











ガッシィィィンッッッッッッッーー!!!(百合子、ゲーム機本体を両手でつかみっ)











「ゆっ、百合ちゃんっっ⁉︎(ドッキリーンッ⭐︎)」











こ、こんなもの……。






こんなものっっっ!!!











もう、揺らして落としてやるぜぇっっっーー!!!(百合子、ゲーム機本体を揺らしっ!)





「わわわっ! ダ、ダメェェェ!(愛美、百合子の両手首を必死にガシッ)」








はっーー⁉︎(百合子、我に返りっ)








「ゆ、揺らすのはダメッ。ほら、ここに書いてあるでしょ?(愛美、涙目でゲーム機本体の注意書きを指差しっ)」






……あ。



ホントだ。








…………。








は。



…………。








恥ずいぃぃぃぃぃぃっっっっっっーー!!!








な、なんてことだ……。


台を揺らさないとか、注意書きを見ずとも当たり前のマナー!


いくら怒りの沸点を超えたからといって、アタシとしたことが我を忘れて……。



も、もうダメだ。

あろうことか、愛美の横でこんな暴挙を……。



完全に、愛美に嫌われてしまったに違いないーー。






あぅぅぅ……。


あっ、あぅぅぅぅぅぅっっっっっっ〜!(超号泣っ)






「大丈夫だよ、百合ちゃんっ」

「…………ふぇ……?(グスンッ)」

「今度は、私がやってみるね!」



え?



「百合ちゃんのカタキは……私がとるっ(ニコッ)」

「っっっーー!」






ま、愛美ぃぃぃっっっ……。








うぅぅぅぅぅ……(百合子、プルプルもんぜつっ)








あぁぁぁぁぁぁんっっっ!








もうっっっ!








そんなんだからっ!








もうっっっっっっっっっ!











大大大大っ、だぁい好きだぁぁぁっっっっっ〜!!!











カ、カタキをとってくれるってことは、アタシのことを嫌いになってないってことだよな⁉︎


だって、嫌いなヤツのカタキなんてとろうと思わないもん!



よ、よかったぁぁぁ……。



こんなどうしようもない空回りオンナですけど、どうか嫌いにならないでくださいぃ〜!(安堵の涙&鼻水ズルッ)



「よぉし……それじゃあ、いくよ⁉︎(愛美、100円チャリーンッ)」



ガ、ガンバレッ!

愛美しゃまぁぁぁ〜!






◇◆◇◆◇






ピンポンパンポーン♪(愛美、プレイ終了っ)




「え〜っとぉ……結局、マシュマロ1個しか取れませんでした〜(愛美、汗っ)」

「い、いや、ナイスだ! よくやった!」



はぅぅぅ……。

アタシのカタキちのために奮闘してくれた愛美。


その姿が尊すぎて、愛しすぎて……。




もうっ!




頭ん中で壊れるほど抱きしめたうえに、むさぼるように唇を奪ってしまったぜぇぇぇーー!(※注 現時点で、百合子はこの世で最も変態な生物です)



「えへへ……カタキをとるとか偉そうなコト言ったのに、ごめんね(苦笑いっ)」

「バ、バカッ、そのマシュマロ1個で十分だ!」

「……うん(愛美、残念そうに微笑みっ)」



愛美さん。

あなたはわかっていないかもしれないが。




そのオンリーワンなマシュマロは、アタシ1億人分のカタキをとったの同じくらいの価値があるんですぅっっっ!




だから、そんな寂しそうに笑わないでぇ〜!



「……いる?(愛美、マシュマロを差し出しっ)」

「あ、いや……そいつは持っといてくれ」

「……いらない、か(シュンっ)」

「あっ、ち、違うんだ!」

「…………」

「なんつーか、その……嬉しかったんだ、アタシのためにガンバってくれて」

「っ…………!」

「そういうワケで、今は胸がいっぱいで入りそうにねえんだよ。また、腹が減った時にわけてくれ」

「…………(愛美、涙がジワッ&下唇をキュッ)」






え。



あれ?



待って。



もしかして。



愛美……泣いてる?






…………。











愛美っ、泣いてるぅぅぅっっっっっっっっっーー⁉︎











なななっ、なんでっっっ?


アタシ、なんか変なこと言ったぁぁぁ⁉︎(超絶焦っ)




コシコシッ……(愛美、涙をふきふきっ)




「ごめん、ちょっと安心しちゃって……」

「え? な、なんて?」

「……ううん、なんでもない。それじゃあ、お腹が減った時に食べよっ」

「お、おう……」



だ、大丈夫かなっ?

なんか、チョットはぐらかされたけど大丈夫かなっ⁉︎



「えへへ……(愛美、マシュマロを見つめっ)」

「ど、どうした?」

「……私もね、胸がいっぱいだよっ(あなたが嬉しかったなんて言うから、コッチも嬉し涙が出ちゃったじゃんっ? 的な照れ照れエンジェルスマイルでニコッ♡)」




ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)




ーーその後、百合子が昇天したのは言うまでもない。













……って。


果たして、こんな調子で百合子はデートミッションを完遂できるのか⁉︎(次回へ続くっ)






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