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秋桜 -another story-   作者: 七地
1/1

不安 side:コジ

秋桜本編「嫉妬(2)・(3)」のサイドストーリーです。

札幌からオレ達の姫が帰ってきた。


チームの先輩から聞かされていたオレは姫に会えるのを楽しみにしていんだ。

尊敬している葵さんと愁さんが大切にしている女の子なんて一体どんな人なんだろう?

みんなと『きっとすげえ可愛いんだろうな』って話していた。


初めて梨桜さんに会って挨拶をしたときにはいろんな意味で驚いた。


梨桜さんはオレ達が想像していた以上に可愛い。

それと・・これは絶対に言えないけど、葵さんとは双子だと思えないくらい・・優しい。


優しい梨桜さんをチームの皆が大切にしようと思っている。

でも、彼女はオレ達のライバルチームのトップ達が通う高校に通っていて、皆が心配していた。


そんな時、葵さんがキレる事件が起こったんだ。




その日、オレと愁さんは昼休みに生徒会室で雑誌を読んでいた。葵さんはまだ学校に来ていないそうだ。




バン!!


ものすごい音がして生徒会室の扉が開いた。


「ドアが壊れるっつーの・・・なにキレてんだよ」


愁さんが読んでいた雑誌から顔を上げ、葵さんを見て驚いた顔をしていた。

オレもこんなに冷たい表情の葵さんを見るのは初めてだった。


この人が冷静を欠くなんて珍しい。


「何があった?」


「朱雀を潰していいか?」


唐突に言い出した葵さんに、愁さんは眉を顰めた。


「ダメに決まってんだろ。梨桜ちゃんに何があった?」


愁さんが言うと葵さんは紙切れをテーブルの上に叩きつけるように置いた。


「これ・・・」


「梨桜の鞄に入ってた」


愁さんは書かれている文字を読んで舌打ちしていた。

オレもその紙を見て腹が立った。『ふざけんな』そう思った、梨桜さんは好きで生徒会に入ったんじゃない。


「これを書いた奴を探し出して連れて来させろ」


怒りのオーラを纏った葵さんに愁さんは冷静に「駄目だ」と言った。


「梨桜は怪我をして帰ってきたんだぞ!?昨日から熱を出してるんだ!黙ってろって言うのか!?」


普段、声を荒げることをしない葵さんが怒鳴った。


「どこを怪我した?」


愁さんに「落ち着け」と言われて、葵さんはソファに座り天井を仰いで深く息を吐いた。

梨桜さんは大丈夫なのか?


「左手首を捻挫した。躓いて転んだと言ってるけど、嘘だろ。突き飛ばされたか足をかけられて転ばされたんだ・・・」


ウチの姫に何てことしてくれたんだよ!?葵さんがキレるのも当然だ。朱雀を潰しに行くならオレも行きたい。

そう思って愁さんを見ると腕を組んで何か考えているようだった。


「熱が出てるっていう事は・・そうだな。転ばされて背中を痛めたんだろうな」


熱が出るという事と背中を痛めるという事の関連が分からないオレに愁さんは「今度教える」と言って目を閉じた。


「ウチの学校に転校出来ないかな」


葵さんがぼやいた。


「無理に決まってんだろ」


愁さんが目を閉じたまま答えた。葵さん・・オレも無理だと思います。


「じゃあ、藤島を殴らせろ」


極論に思わず笑ってしまいそうになった。


「葵、今おまえが動いたら意味ないだろ?落ち着けって・・」


愁さんが冷たく笑い、紙切れを眺めた。


「藤島にやらせようぜ?悔しいけど紫苑のトップは奴だ」


「オレ、アイツ嫌い」


少し拗ねたように言う葵さんが可愛く見えてしまった。

こういうところ、梨桜さんと似ているかもしれない。


「同族嫌悪か?大丈夫だ、奴もお前の事嫌いだろ。・・明日は定例会だ。絶対にキレんなよ?」


愁さんは繰り返して「わかったな?」と言い、葵さんは渋い顔をしながら頷いていた。



次の日――


朱雀を利用して梨桜さんを守ろうとさせている葵さんと愁さんを恐ろしいと思った。この人達を敵に回したくない。


そして、オレは藤島と幹部の反応を見て心配になった。

梨桜さんを奴らに奪われるんじゃないか・・葵さんがそんなことをさせるわけがないのにバカみたいな心配が頭に浮かんだ。



この小説にR18のガイドラインに抵触するとの指摘をいただきました。

「不安 side:コジ」のページを残し、以下のお話をR18のサイトに転載しましたので、お読みいただける方は下記のアドレスからお願いします。


https://novel18.syosetu.com/n0003fm/

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