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ガチ恋オタクが目覚めると推しそっくりのアイドルに  作者: うつくじ


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9/14

宮崎にまゆと一緒に帰ってきたゆみは家族が行方不明ということになっている野口勇人、自分を探している家族に会うために宮崎駅へ向かう。

 宮崎駅に着いて改札を出るとお母さんと妹がビラを配っていて思わず立ち止まってしまった。

 「どうしましたか」不思議そうに見ているまゆに「ちょっと知り合いに似てて…話してきてもいいかな」「大丈夫ですよ。外でお土産見て待ってます」そう言い残してお土産コーナーの方に行ってくれた。


 だがいざ声をかけようとすると緊張して動けない。

 何を話せばいいのか、なんて言えばいいのか、全部本当のことを言ったら信じてくれるだろうか、推しを殺そうとしたことを知ったらどう思うのかそのことが頭を駆け巡り動けなりだんだん意識が遠くなっていった。


バタンと音を立ててゆみはその場で倒れた。


 ハッと起き上がると知らない部屋にいた。

 横を見るとまゆが「心配しましたよ大丈夫ですか」と泣きそうになりながらこちら見てる。

 「ごめん」そう言って状況を聞く。

 あの時気を失って倒れて駅員室に運ばれたらしい。

 「もう体調は大丈夫ですか」「大丈夫だよ。そうだチキン南蛮食べに行こう」


 家族と会うのは無理だと思った。自分のしたことへの罪の重さを再認識することになるのが辛い。最近は目を逸らしてたからこそ、その分重くのし掛かる。


 チキン南蛮を食べに行くと「美味しい」とゆみは美味しそうに食べてた。

 「ここは私が払うからまゆちゃん沢山食べてね」たまには先輩ぽいことをしたいと思いそう言ったが会計の時にカバンを見たら財布がなかった。

 よく考えたら一宮ゆみになってから今までしょうこと浩介に面倒を見てもらっていたからお金を払ってなかったし、野口勇人の口座はもちろん使えない。

 その上、一宮ゆみのスマホ、銀行などのパスワードがわからないから無一文のことを思い出した。

 

 どうしようと焦っていると「私が出すから大丈夫ですよ」そう言ってまゆが払ってくれた。

 「ゆみさんは記憶喪失だからお金無いじゃないかなと思って現金ちゃんと持ってきてるので安心してください」そう笑顔で言うまゆを見て天使かと思った。

 

  ご飯を食べたあとまゆが服を買いたいと言ったから服屋を見にきたが「これ絶対ゆみさんに似合います」「これは絶対ゆみさん着た方がいいです」そう言って服を3着も買ってもらった。

 申し訳なくて「何か返すよ」そういう時「ゆみさんは生きてるだけで私にたくさんの勇気やパワーをくれてるので生きてくれてれば大丈夫です」笑顔でまゆは返す。


 ご飯も食べてショッピングもしてそろそろしょうこが取ってくれた向かうために駅を後にしようとしたら声をかけられた。


 「すみません。これよかったら」ビラを配っている人を見て思わず「小雪…?」声が出てしまった。


 小雪は野口勇人の高校までの幼馴染だ。頭がいいのでよく勉強を教えてくれていて仲良くしていたが野口勇人が上京してからはあまり連絡をとっていなかった。


 「なんで私の名前知っての?もしかしてどこかで会ったことありますか」そう小雪は不思議そうに聞く「いきなりごめんなさい。なんかピンときて」  

  「そうなんですね。これ幼馴染が行方不明で見かけたらこちらに連絡ください」

 そのビラを見ると俺を探しているビラだった。

 また意識が飛びそうになってフラフラした。

 申し訳ない気持ちでいっぱいになって立ち尽くしていると「ゆみさん大丈夫ですか」まゆが心配そうにしてくれてる「体調悪くて、ごめん、ホテル行こう」「体調悪いのに声かけてしまったごめんなさい」すぐ謝るところとか昔と変わってないなと思いながら会釈をして後にした。

 

 苦しかった、もしも自分が推しを殺そうとして道連れになって死んだと分かったら小雪はどう思うのか。それを考えたくないのに考えてしまう。

 

 

 ホテルについて2人で座ってるとこに思わず「この野口勇人って俺なんだよね」そう口から出てしまった。

 もう耐えきれなかった。この事実を自分1人で耐えるのは。誰か1人にでも真実を言って受け入れてほしかった。

 「何言ってるのですか、そういう冗談はダメですよ。ゆみさんは一宮ゆみでしょ」まゆは怒っていた。

 「私はそういう冗談は嫌いです」「ごめん」

 「わかってくれれば大丈夫です。もうやめてくださいね」「わかったありがとう」「いえいえ、私はお風呂入りますね」


 いきなり言われたら誰だってタチの悪い冗談だと思うだろう。俺だって逆の立場ならそんなこと信じられない。

 推しを殺そうとして電車に轢かれたら一宮ゆみになってたなんて。

 でも誰かに言いたい。自分1人で抱え込むのは無理だ。誰かに慰めて欲しい。でも誰も信じてくれないだろう。どうしたらいいのな結論出そうとずっと考えて考えてもその結論出ない。

 

 お風呂に入り、髪を乾かしツインベットでまゆと寝る。

 「ゆみさんとこうやって一緒に旅行に来れて本当に嬉しいです」嬉しいそうに話すまゆに「うん」とテキトウな相槌しか返せなかった。

 「私親に反対されたのに無理言って上京してアイドルになったので家族と疎遠なのでよ。だからこういう家族旅行みたいなのできて嬉しいです」「それはよかった」「ゆみさんは本当にいい人ですね。私はゆみさんのおかげで生きていけます。これからも一緒にアイドル頑張りましょう」「…」「ゆみさん?寝ちゃったかおやすみなさい」

 なんで返せばいいかわからなて寝たふりをした。 

 俺にアイドルを続ける資格はないことを思い出した。どうしたらいいのか、どうすればこの状況を打破できるか考えても何も思いつかず時間が過ぎて気づいたら外が明るくなっていた。

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