第六章 6
縫合宮、第三階層最奥。
激しい干渉の波が渦巻く中、ケイタは一歩も引かず、前へと踏み込んだ。
「まだ終わってねぇぞ……っ!」
右腕が揺らぐ。
だが、その不安定さすら、ケイタは制御の中に押し込めていた。
――液体マナ。
圧縮されたそれが、刃とも鞭ともつかぬ形状を取り、アシカガへと襲いかかる。
「ほぉ〜?やりますねぇ〜っ!」
アシカガは笑いながら、それを受け流そうとする。
だが――
「甘いっ!」
ケイタの一撃は、これまでとは明らかに違っていた。
流動するマナが、干渉を逆手に取り、アシカガのスーツの隙間へと滑り込む。
「ぐっ……!)
初めて、アシカガの表情が歪む。
「効いてるな……そのデブスーツも万能じゃねぇってことか!」
「グフフフ……いやぁ〜、これはこれは…..」
だがその笑みは、消えない
むしろ――深くなる。
ケイタは一気に間合いを詰めた。
あと一撃。
それで終わる。
そう確信した、その瞬間
――ドォォォォォォンッ!!!
後方から、空間そのものを引き裂くような爆音が響いた。
「なっ……!?」
振り返る間もなく、
異様な“何か”が、流れ込んでくる。
濃密な干渉エネルギー。
それはこれまでの比ではなかった。
空間が歪む。
視界が揺らぐ。
(まずい……これは……!)
ライムの声が、これまでにないほど乱れる。
(ケイタ……!制御が……っ!)
「おい、どうした!?」
次の瞬間――
ケイタの右腕が、弾けた。
「ッ……!?」
液体マナが暴走する。
形を保てない。
収束しない。
ねじれ、歪み、暴れ狂う。
それはもはや、刃でも腕でもなかった。
ただの――異形。
「くっそ……なんだよこれ……っ!」
(ダメ……!完全に……外部干渉に引きずられてる……!)
ライムの声が、かすれる。
これまで感じたことのない不安が、そこにはあった。
ケイタは歯を食いしばる。
腕が使えない。
だが、ここで止まるわけにはいかない。
「チッ……タイミング最悪だな……!」
視線の先。
アシカガは、ゆっくりと立ち上がっていた。
「グフフフフ……これは……面白くなってきましたねぇ……?」
その背後――
さらに濃い干渉の渦が、広がっていく。
戦いは、まだ終わらない。
――
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