3話 『勉強会開戦前』
時は放課後である。
帰る準備をしながら夜ご飯はどうするかの議論に何故かなっていた。
何故かというと、玲奈が「──親今日帰ってこないんでしょっ!なら、翔の家で食べたいなぁ」などと言い出したからだ。
確かに今日の晩飯を何にするか迷っていたがその案まではたどりつかなかった。
だが、そこまで玲奈の案も悪くないなと思えた。食卓が賑やかになるのに越したことはない。
────まぁ近所迷惑になると思うが。
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「え、まじで今日俺んちで食べんの?...俺は問題ないけど」
「私はもちろんおっけーだよ!何か今日は家に帰りたくない気分なんだー」
玲奈にしては珍しい。いつもならさっさと帰ってさっさとLINE開いて俺ら3人のグループにスタ連するのが日課なのに と心中問で埋め尽くされた。
「へー、珍し。何?家庭内トラブル?不倫騒動?スマホ没収とか?」
「何であんたは喋る内容がほぼ全部アンダーなのよ。因みに理由はと言うと、今日の晩飯はキノコシチューだからかな?多分」
は?と呆れた顔で玲奈を見る。
玲奈は生粋のキノコ嫌いだ。小学生の頃から給食でキノコが出る度に誰かにあげていた。
「晩飯のメニューのせいで人んちに来て食べるとかこっちからしたら迷惑もいいところだな」
「迷惑なの?」
「食べさせてくれるのなら迷惑じゃない」
中二くらいから隙があったらすぐイチャイチャするようになった。小学校から一緒となると言えないことなどは基本ない。
だが、必ず一方は取り残されるというデメリットがある。
「私を蚊帳の外にしてなにイチャイチャしてんのさ!あーもほんと私怒っちゃうぞ!全く」
「それ以上うるさくなると冗談無しにうるさすぎて脳震盪起こすかもしれないんで、どうかお許しくださいメガホン様。お前はとっとと病院行っとけ」
「脳震盪は絶対冗談でしょ!あと、あんた口悪すぎ!まぁ今に始まったことじゃないけどね!」
今日の話をするはずが、ただのイチャ悪口になってしまっていた。という事でもうここからはカットという事で、6時少し前くらいからの場面へ移ります
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「んー...少しは部屋片付けたほうがいっかな...。でも、あと何分かなんだよなぁ。半端にはしたくねーし」
その時、翔のスマホが通知音と共にバイブレーション機能で机から落ちた。
「うぉ...やっべ壊れてないよな。んで、誰からだ?──夏目か。えーと『もうすぐ着くー。一応おにぎり買ってる どーせ何も作ってくれないだろうし』──か」
少し夏目口調で読み上げてみる。うるさくしたという意味ではない。 翔は正直この報告別にいらなくね?と内心呟いた。
「なんて返せばいいんだよ...こういうのが1番困るわ。いや、むしろ既読無視にしとくか」
翔は親切心もクソもないような答えをだす。それにあと数分で会うのだから。
「そろそろ時間だな。玲奈は結構早めに行動するタイプのやつだから別に着いてもいい時間なんだけどなぁ...まぁ夏目は期待していないが」
夏目のもうすぐは信用しない方が身のため、というのが翔の頭にはしっかりと焼き付いていた。
翔曰く 証拠よりまず勘 だそうだ。
と、その時玄関口からトントンと音がした。
「───お?今音なったよな?玲奈か?」
自室をでて左に45度回転し2m程直進。若干螺旋状の階段を13段降り、左に直進6歩、そしてそこから右に3歩。最後に体を45度回転させ少し段を降りドアノブに手を伸ばす。
開けようとすると
「こんにっちわー!まぁちゃんと出迎えてくれたのは嬉しいが遅い!私来てから少なくとも1分はたったよ」
「は?1分てさして遅くなくね?」
「甘い!その考えは甘い。か弱い乙女を1分も外に待たせるなんて、普通じゃありえない」
「え?乙女?そんな平野みたいな胸で?夢見すぎたろ」
「黙れよぉ」
玲奈はいつもこんな感じである。クラスからは人気があり(ほぼ男子)、ルックスはかなり上の方。
だが、玲奈曰まだ告られたことはないそうだ。
「てかお前、夜ご飯なにたべ───お?夏目のご到着かな?」
「時間ぴったりやね」
スマホには6時の文字が映し出され、階段を上がってくる音が聞こえる。夏目しかありえない。
次は思いきり開けてみる。
「うわぁ!──あー びっくりしたぁ。あんた絶対わざとしたよね!?」
「わざとではないよ。意図的に作戦を考えだしたその結果」
「それを世間ではわざとっていうと思うんですがっ!?」
玄関口で怒声が放たれる。─正直言って近所迷惑だろう。これ以上続けられると回覧板渡す時に非常に気まずくなるので、とりあえず夏目を中に入れる。
「とりあえず中に入ろ。ドア開けっ放しは虫の入る原因だから。──あーでもおそいか」
「え、もしかしてさっき蚊とか入ったの?」
「いや、巨乳の虫と平たい虫が入ってるから」
翔は夏目の方を向き、その後に玲奈の──方を向こうとしたがいなかった。
「とっとと死にやがれぇ!」
上から死ねという声が聞こえた。つまり玲奈は上にいるのだろう。もちろん無断で。
「もう玲奈きてるんだ。流石やね。それで?私は一応おにぎり買ってきたけど」
手に持っていた買い物袋を上にあげる。中には鮭のおにぎりが3つ入っていた。
「お前1人でおにぎり3つ食べんの?」
「そんなわけないでしょ。あんた達のぶんだよ。私やさすぃーからぁ!」
「俺の知っている限り優しい玲奈など存在せぬな」
「私の評価ってそんなに低いのね...」
がっかりしたような表情でこちらを見る。気まずくなり顔から目をそらすと胸の方に目がいってしまった。
「...相変わらずすごいなお前」
「胸見て言うな!この変態!」
赤面になった夏目は胸元を隠し、恥じらいながら翔を見る。
「変態ではない。──とりあえず中に入ろーよ。玲奈が泣いてるかもしれないし」
「ペットか!あんたにとって私達はペットなのか!...まぁ中には素直に入るけどね」
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メンバーは揃い、ただ来たかっただけの玲奈も一応勉強道具は持ってきているらしい。翔はのどが渇いたと2人がうるさいので仕方なく下に降りお茶を注いでくる。
「あぁ疲れた。...はい玲奈、こっちが夏目と」
「よかったぁ。もうのどが渇いて死にそうで...翔、あんたこれ入れてないでしょうね?」
疑いの目で玲奈がこちらを見る。夏目もその可能性に気づきジッと睨みつける。
「お前らな..俺が何年お前らと一緒にいると思ってんだよ」
「まあそうよね。私達の仲だもん。そんな事ないよね」
安心して2人がコップに口をつけすすぐように飲む。
そして、翔が最後に一言放つ。
「何もしねぇわけねぇだろ?」
一瞬2人が困惑した。だが翔の言った意味が理解できた途端2人が今にも吐きそうな顔をする。
「かっら!!なにこれ!?お茶に何入れた!?」
「醤油」
「一瞬でも信じた私らが馬鹿だったぁっっっ!」
嘆く2人を嘲笑うような目で見る翔。だが、翔は本物の純粋なお茶を持ってきていた。
「その気遣いだけは成長したんだな翔ぅ。前のあんたなら絶対ここで私達放置してたし!」
「そりゃあ俺優しいからね」
そんな事を言いそっと2人の前にお茶を出す。それに貪りつくように手に取り一気に飲み干す。かなりの暴飲だ。
「なんで...はぁ、勉強始める前に...はぁ、こんな疲れなきゃいけないのよ」
「それはほら...あれだよ。一種の儀式?」
「ちゃんと儀式のとこにルビふれや。──まぁ他人迷惑すぎるよね。その儀式」
「いや、俺の儀式じゃなくて俺らの儀式な」
こんな感じで勉強会が始まろうとした
翔のシナリオ通りのイベントが発生して
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投稿1日遅れてしまいました(><)
改めて睡眠の恐ろしさを感じました(笑)
次は勉強会開戦です!次回もこの愉快な3人組の物語をお楽しみください!




