過去編1 『少年』
この物語は翔達が社へ行く三ヶ月前の出来事である。
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朝日が町を照らし、引きこもりと吸血鬼の天敵である太陽が顔を出した。
その日の新聞にはデカデカと先日の殺人事件についての記事が存在した。
「はぁ……いつになっても物騒だよなぁ」
1人の少年がそう呟いた。
「じじぃかよ兄は。新聞何かよんじゃってさっ…ていうか、今日早く学校行くとか行ってなかった?」
そして1人の少女が呆れ顔と呆れボイスで 兄 に声をかけていた。
「へいへい。じゃあ行ってくるわ...風邪なんだからちっとは大人しくしてろよなぁ?」
「大人しくしないようにさせてるのは何処の誰なのか聞きたいところだね兄」
少女は昨日の晩から具合が少し悪く、学校には行けそうな状態ではなかった。
そんな妹を差し置いて、部屋でゲームをしていた兄は当然身の回りのことなど自分でできるはずはない。
「あー心がいてぇよ。あ、あと葛根湯テーブルの上置いてあるから飲んどけよぉ」
「あの独特の味...少し嫌だけど……まぁ少しは気の利く事もできたのね兄。てか、こんな話してたら遅れちゃうよ...って、もういつもの時間じゃん。さっさと行った行った」
そう言われ、少年は少し焦りながら家を出た。
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少年と少女は早くに両親を失っており、補助金生活をしている。
少年は最近バイトを始めたものの、少女はまだ中学生のためバイトはできない。
なのに何故か二人ともスマホを持っていた。
「あー…やべやべ。遅刻じゃん。どうしよっかな…てか、早く出ないといけない日に遅刻するってどんなゴミだよ俺」
運の悪い事にその日は体育担当の教師が校門の前で門番をしていた。
「さっそく修羅場じゃねぇかよ」
体育教師はこちらから視線を外さない。ばっちり目をつけられている。
「くぅぅうおぉぉぉぉぉうらぁぁぁぁぁぁあっ!?!?!?お前は時間を守ることはできないのかぁぁぁぁぁあ!?」
怒声だ。そういえば、このあたりで女の怒声をよく聞く。あれは何なのだろうか?と、少年は世間の事について雰囲気に合わぬ口調で内心囁いた。
「小学生でもできるだろうがぁぁぁぁぁあ!?!?お前はそれ以下なのかぁぁぁぁぁあ!?」
いつも思うのだが、いくら例えであっても小学生をバカにしすぎじゃないだろうか。
「すみませーん。妹が風邪でしてぇ、看病してたんですぅー」
この教師は保険の担当もしているため、風邪や熱など保険分野に関してはとやかく言える立場じゃない(はず)。それにそもそも言えるような勇気など無い(はず)。
「ぐぬっ...風邪か...。まぁそれなら仕方ない。……いや、こいつがいくら妹と言えども看病をできるようなやつか?」
痛すぎるところを突かれた。そう。この情の無き兄が看病としてした事それは...…葛根湯をテーブルに置く、それだけなのだ。
「自分そんなだらしないキャラ植え付けられてんですか。俺が妹のために看病らしい看病をしない?そんなはずないじゃないですか(そんな事ある)」
教師は呆れたように大きなため息をついたあと、校門を開け、少年の入門...というより登校を許可した。
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今回短いです




