11話 『迷いの森編 -推理戦、能力は-』
玲奈を捜すためにとりあえずどこかへ行こうという話になった。しかし、行く宛全くなし。
--まだ翔は気づけなかった。最初に会った誰かが女の子だった事を--
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所持金僅かな財布を念のため中身を確認してバックに戻す。ホラーものは気づかぬうちに物が無くなってたり、盗られていたりする場合が多い。
夏目にも中身確認せろ、と言ったものの「めんどくさい」だそうだ。
「んで、こんな真っ暗な中どこいけばいいんだよ...てか、なんでいないの?一緒にいたんじゃねーの?」
「それが...左の道行ってたらいなくなってたの。気づいたらいなかった」
これが夏目の言い分である。まぁどうであれする事は同じなのだが。
「そっか...まぁありありの展開すぎて逆に予想できねぇなぁ。...あ、柊はなんか分かるか?」
「いや、どうして僕に聞く」
「どうしてって...そりゃあ手がかりあるかもなーと思って?...まぁそんな理由だけど」
翔の心境はとりあえず手がかり、である。正直に言うと何も手がかりなしだときついし疲れる。
「んー...少なくとも君...翔のところへいくまでには不可解な点も無かったし、特に手がかりはないね」
しばらく翔が考えこむ。
そもそもの謎は玲奈が何故突然いなくなったのか、それである。
常識的に考えたら、暗いためこっそり後ろへ戻ってくると思うのが自然なのだが今のこの状況で『常識』なんぞが通用するとは思えない。
「んーー...、一応聞くけど分かれ道とかなかったよね?お前らがダッシュした後」
夏目は考えこむような動作をした。難しい顔になっていくのが分かった。
もう既に翔には先が見えた。
「無かった...ような」
「お、予想と少し違った。えーと、なんで不確定のことみたいな言い方したか教えてくんね?別に深い意味は無いってんならそれでいいけど」
何か言いたそうなのだが、何故か口を開かない。
「───それがね...思いだせないというか...何か──そう、忘れてるような気がする」
「あー、そっか。まぁこんな現実味の無い体験すればそうなるのも無理ないか」
夏目が俯いたままの顔を上にあげて翔をジッと見た。
「そうじゃないと思うの...思いだそうとしたら頭が痛くなって...その時何かイメージがわいてくるの」
「イメージ...というと?」
「えっと...刀みたいなやつが...飛び回ってるイメージ?───ごめん、はっきりは分かんない」
刀だそうだ。日本刀でも持った殺人鬼がうろうろしているのだろうか。それはこの常識より恐ろしいのだが。
「刀...刀だったのか?夏目」
「ん、ん?刀だと思うけど...なんで?」
ほぼ初対面に近いはずなのに柊が夏目を呼び捨てで呼んだ。やはりあれだろうか、ネジが何本か抜けているのだろうか?それとも本のせいなのか。
「なるほど...翔、分かったかもしれない」
いきなりそんな事をいいだした。
「は?まぁ一応聞いとくけど、分かったって?」
「まずだ。玲奈という人物はもしかしていなくなったとか消えたとかそんなのじゃなくて何かに攫われた...いや、死んだ?分からないがそうだと思うんだ。理由としてはまず僕がこっちに来る時少なくとも誰もいなかった。そして、夏目がこっちに向かっている時に...というより最初に進んだ時も分かれ道や連れ去るような道はないとおもう。何故ならさっき夏目は『いつの間にかいなくなってた』と、言ったんだ。おかしいと思わない?もし、分かれ道があったとしたらいつの間にかみたいな言い方をせずに僕なら『逃げたのかも』とか『誘拐されたのかも』とかそんなことを言うと思う。実際二人は翔を置いてどこかへ走っていったんだからその線も無いとは言いきれないんだよ」
ちょっと夏目には1度に脳内に収められるほどの量ではなかったため、ポケーっと突っ立っている。
翔は解釈しながらも『この子大丈夫かな』みたいなことを考えていた。
「あー...うん、分かった。多分。───不自然なとこは特にないんだよなぁ」
ホッとした顔で柊が翔を見た。
「...あの、後半は頭パンクしてたからよく覚えてないけど...その、私が嘘ついてるかもみたいな事言ってなかった?」
続いて柊が夏目の方を向き一言。
「いや、元凶って誰さ」
この一言が夏目の心にグサっと槍のごとく刺さった。
まぁ実際のところ柊の言ったことは何の間違えもないのだが。
「まぁいっさいっさ。...いや、俺はどう考えても一方的に被害者だし...まぁいいや。そんでさ『刀』ってのがまだ謎なんだよな」
「刀...か。そうだ...もういっその事話そうかな」
「ん?何を?まさか自分が犯人ですー とか?」
「そんなはずないだろう...まぁ別の───いや、案外無関係じゃないのかな。この件では」
飛びっきりどうでもいいクソ演説でもするのかと思うが、今の状況でしかもあんなキャラしたやつがそんな事するわけねぇよな みたいな事を翔は心中呟いた。
「それでは...まずさっき僕が一番目の銃と言ったのを覚えているかな?」
「あぁ...なんか言ってたね」
「それが何だか検討つくかい?」
正直全くわからない。初耳の単語で分かれと言われても無理があると思う。
「いや全くつかねぇ」
「そうか...じゃあまず一番目の銃からだね。まずランドガンとは僕の1つの能力と思ってもらってもいい」
「は?いや意味わからん」
「いや僕も同じ立場なら分かってないよ。まだ全然説明してないから。...まぁ見てもらった方がいいかな」
そう言い、柊がおもむろに左手でズボンから何かを取り出す。
「これは単なる石だ。だがこれを僕の右手にのせると...」
その石は右手に置いた途端に光り輝き、その場を包んだ。目を開けるとそこには銃があった。
「これが僕の第一の能力である一番目の銃だよ。左手で1度でも触れたものが右手に触れると銃になるんだ」
驚くという次元を遥かに超越していた。2人はこの繰り広げられた状況に唖然とするばかりだった。
「え、スゲェぇぇえ!?!?」
「まだあるからそんなに驚かれると少し気まずい。...まぁいいや。僕の2つ目の能力は二番目の銃だ」
そういえばその能力の名前は誰がつけたのだろうか?
もし、自分で名付けたのであればかなり痛々しい性格だ。
「ダスト...ガン?」
「そう、二番目の銃は一番目の銃で作った銃にのみ発動させられる能力」
「市販の銃じゃ駄目なんだ。...あ、市販で銃は売ってないか」
翔が言いたかったのはつまり『ランドガンで作ったやつでしかできないのか?』ということである。
「もちろん。つまり僕にしか使えないんだ。...あぁ二番目の銃の主な力を教えてなかったね」
「あ、忘れてた」
「一番目の銃で作られた銃の弾丸をこの世界のモノでは無いという肩書きで放つ能力...わかりやすく言うと、この世界のモノには当てずに対象者や目的物だけ撃ち抜く力」
「チートっ!!!!絶対それラスボスの手前で手に入れられるとか、四天王倒したら貰えるとかそんなレベルだから!!!!!」
チートである。ばっちりチートである。
ショタが持つべき能力ではない。...というよりショタが能力なんか持っては駄目だと思うのだが。
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何故投稿をしばらくしてなかったかというと...受験だったためですね。
そして...合格したんですよっ!!!!
受験って言い訳には...なり......ますよね(笑)




