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【カクヨムコンテスト11 中間選考突破】 累計336万8千PV 僕の戦国時代  作者: 虫松
新選組列伝ー誠の残響ー

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第16話 鳥羽伏見の戦い―誠、敗れる―

冬の空。


冷たい風が、京の南を吹き抜ける。


上鳥羽。下鳥羽。竹田。伏見。橋本

そのすべてが、戦場になろうとしていた。


江戸時代は幕末となり、すでに新たな明治時代へ

時代は動いていた。


大政奉還

そして、王政復古の大号令。


徳川の世は終わり、

“朝廷の軍”である新政府軍が生まれた。


■布陣


新政府軍。


薩摩藩

長州藩

土佐藩


外国からの近代兵器。

銃。

大砲。


統率された近代の軍。


対するは


旧幕府軍。


江戸幕府

会津藩

桑名藩

そして新選組。


日本刀。

旧式の銃。


武士の意地と忠義。


総大将は徳川慶喜。

だが彼は戦場には、いない。



鳥羽伏見の開戦


慶応四年 一月二十七日。


火蓋が切られる。


――ドンッ!!!


砲声。


空気が裂ける。


地面が揺れる。


「撃てぇぇぇ!!」


新政府軍の号令。


銃声が、連なる。


パンッ!パンッ!パンッ!!


途切れない。


まるで雨のように。


「突っ込めぇ!!」


旧幕府軍。


刀を抜く。


叫ぶ。


走る。


だが届かない。


銃弾が、先に届く。


「ぐあっ!!」


一人、倒れる。


また一人。


パンッ!! パンッ!!

パンッ!! パンッ!!


連続する銃声。


斬る前に、撃たれる。


「怯むなぁ!!」


旧幕府軍からの怒号。


それでも、進む。


だが。


距離が埋まらない。



伏見奉行所周辺。


煙。


火薬の匂い。


視界が白く霞む。


その中で新選組が突撃する。


「行くぞ!!」


刀を振り上げる。


斬るために


誠を貫くために。


だが


現実は無慈悲だった。


ドンッ!!


砲撃。


地面が爆ぜる。


吹き飛ばされる新選組の隊士。


パンッ!!パンッ!!


銃。


距離を詰める前に、撃たれる。


「ちくしょう……!」


歯を食いしばる。


だが。


どうにもならない。



その時、風が変わる。


掲げられる旗。


金色に輝く

朝廷の象徴である錦の御旗。


それを見た瞬間。


空気が変わる。


「……朝敵だと……?」


旧幕府軍の中に、恐ろしい動揺が走る。


「俺たちが……逆賊?」


一方。


新政府軍。


「我らが官軍だ!!」


士気が爆発する。


「押せぇぇぇ!!」


流れが、決まる。


旧幕府軍は後退を始める。


一歩。


また一歩。


「下がるな!!」


叫び。


だが


止まらない。


統率が、崩れる。


指揮系統が乱れる。


そして


総大将の徳川慶喜は、いない。


旧幕府軍は淀へ

八幡へ敗走する。




その頃

戦場から離れた場所。


布団の上。

咳。

血。


沖田総司


身体は病に蝕まれ動けない

剣を握れない。


戦えない。


「……始まったか」


かすれた声。


別の場所。


腕を押さえながら立つ男。

近藤勇

銃で撃たれた肩。


片腕の剣は、強くは振れない。


「……くそ」


拳を握る。


だが戦場には立てない。



戦いはわずか四日。

結果は、明白だった。


新政府軍の勝利。

旧幕府軍は総崩れ、


徳川の威光は、地に落ちた。



そして、幕末最期の戊辰戦争が始まる。

誠は、間違っていたのか。


違う。

だが

“誠だけでは勝てない時代”が来た。


銃。

大砲。

政治。


すべてが時代が変わった。


そして変わらない新選組は負けた。


それは、敗北ではない。

“時代に敗れた”のだ。


東北地方に雪が降る。

静かに。

すべてを覆い隠すように。



つづく

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